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本格的な春へのプロローグ【1】 [尾瀬ケ原]

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【下の大堀,定番ポイントでのミズバショウと”燧ヶ岳”】

5月11日(曇り時々晴れ)
山小屋でも様々な対応を強いられながらも営業を始めた。尾瀬の山小屋から感染者を出すわけにはいかないが,自粛ばかりでは山小屋の存在自体が危ぶまれる事態になりかねない。栃木県は緊急事態宣言もまん延防止等重点措置の対象からも外れているので,自分でもコロナ対策には十分留意して出かけることにした。

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【終わりかけていた上田代の尾瀬ヶ原湖,それでも池塘の水量は豊富】

前回の尾瀬から2週間。既に尾瀬ヶ原の雪は消え,木道はほとんど出ているという。尾瀬ヶ原・上田代周辺の雪解けが進むと気になるのが短い期間現れる「尾瀬ヶ原湖」であるが,それさえも既に見頃は過ぎたようだ。前回の残雪の状態から,見頃は一週間~10日後位かと思っていたが,天候を見極めているうちに見頃を逃してしまったようだ。それでも,雪解け水溢れる尾瀬ヶ原をのんびりと歩きたい・・・。

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【残雪がほとんど消えた尾瀬ヶ原】

天気の回復が遅れ,朝のうちは天気も良くないようなので,ゆっくり休んでから出発。日光を越え,片品村に着いてもどんよりとした雲が上空を支配したままだ。
天気が良くなる気配もなかったので帰ろうかとも思ったが,せっかく来たのだからと気を取り直して鳩待峠へ。

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【緑の湿原へと生まれ変わるにはそんなに時間はかからない・・・】

至仏山が登山禁止期間に入る前では考えられないことだが,9時を過ぎているというのに鳩待峠駐車場は満車にならないばかりか,10台程度の車が止まっているだけだった。人の往来もほとんどなく,スキー・スノボの登山者で賑わっていた前回からは想像できない静けさだ。

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【林内の根明けも徐々に大きくなり,残雪もかなり減少した】

山の鼻に向かう道の雪も鳩待峠から下るに従って徐々に少なくなり,山の鼻に着く頃にはネットの情報通り,木道の雪はほとんど消えていた。山小屋周辺に残った雪を除雪するスタッフの声が辺りに響く。閑散とした山の鼻は静かに時が流れていた。ミズバショウシーズン前のエアポケットのような時期ではあるが,やはりコロナの影響は大きいと言わざるを得ない。

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【水バショウ。雪解け水に浸かって気持ちよさそうです・・・】

流れゆく雲の隙間から時折陽は射すが,長時間分厚い雲が上空を覆う。さらに,至仏山や燧ヶ岳の山頂が雲に隠れて見えないことも今ひとつ気持ちが盛り上がらない理由だ。こんな時は空撮しても面白くないので,上田代の逆さ燧のベンチに重い荷物を下ろし,昼食をとることにした。温かなしっとりとした空気に包まれ,遠くで響く鳥の声に耳を傾け,風に乗って運ばれてくる雪解け後の湿原の空気を吸いながらのんびりと昼食をとっていると徐々に気持ちも安らぐ。やはり,来て良かった。

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【ワタスゲの花もあちこちで見かけました】

そんな気持ちを映し出すかのように,空も急速に明るくなってくる。やっとドローンが飛ばせるな・・・念願の空撮を済ませた後は中田代に向かう。下の大堀の撮影ポイントは,小さめのミズバショウがたくさん咲いていた。少雪だった上に気温が高く,雪解けが早かった分,今年も季節の移ろいは前倒しだ。いい具合に雲も減ってきたので,ここで本日2回目の空撮。絵に描いたような雲を背景に,定番写真の反対側にある「燧とミズバショウの群落」の写真を撮影。ドローンならではの1枚である。

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【木道の間に守られるように咲くリュウキンカ】

一時は回復傾向であった天候も,また雲が優勢となったため早めに今日の宿「燧小屋」にチェックインし,バッテリーの充電等をしているとポツポツと雨が落ちてきた。早めに小屋に入って正解だった。本日の宿泊者は自分を含め5名。午後5時30分に早々と夕食を済ませ,入浴して部屋で寛いでいると空が急速に色づいてきた。久しぶりに尾瀬で見る夕焼けである。

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【六兵衛掘のザゼンソウも顔を出していました】

カメラを抱えて弥四郎小屋の先まで急ぐ。夕焼けだけでは絵にならないし,池塘とかもないしなぁと四苦八苦しながら撮影を済ませる。すると,傍らでドローンを飛ばす2人が。聞くと「シカの食害調査」だという。この時間帯に? FISSに登録してあったかなぁ・・・
いつしか至仏山や燧ヶ岳の上空にあった雲はほとんどとれ,澄み渡った空が一面に広がっていた。明日の朝は冷えそうだ・・・。小屋に戻って早々に休むことにした。

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【小屋で寛いでいたら空が急に色づいてきました】

*空撮にあたってはDIPS・FISS登録,関係機関への連絡・調整済です。
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