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春の息吹きの中で【2】 [尾瀬ケ原]

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【上空から見る白虹。ドローンの影を中心にそれを取り囲む大きな白い虹ができる】

6月10日(晴れ)
明日は新月なので月に邪魔されることもなく星の撮影ができるかなと期待していたが,夜半には,いつものように夜霧が発生して龍宮小屋周辺は,ほとんど真っ白になった。星の撮影は明日の楽しみにとっておくことにして,朝靄の尾瀬ヶ原の撮影に備えてその夜は寝ることにした。

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【雲海に浮かぶ燧ヶ岳】

目が覚める頃になっても,まだ小屋の周囲は真っ白な霧に覆われていた。必要な荷物だけを持って小屋から出るには出たが,霧に覆われ周りの様子は全く分からない。そろそろ至仏山頂が朝陽に染まる頃である。空撮後の撮影も考慮して撮影場所を移動する。

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【朝の湿り気を帯びた空気をすり抜けて朝の光が湿原に届く】

長時間,霧に覆われていたせいか,木道がしっとりと湿り,場所によっては霜が降りているところもある。暫く歩いても朝靄の状態は変わらないが,目的のベンチにザックを置いてライブカメラを確認すると,予想通り,至仏山は朝陽を浴びて赤く染まっていた。急いでドローンを離陸させた。あっという間に朝靄の上空に出ると彼方には,モルゲンロートに染まる至仏山の姿があった。

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【沼尻の池塘群と尾瀬沼。上空の雲がすっかり夏のよう・・・】

湿原は真っ白な朝靄に覆われ眠りのさなかだが,上空では既に朝の劇的なドラマが繰り広げられていた。朝の光を受けて朝靄は慌ただしく動き,大きくうねり尾瀬ヶ原を行き来する。そのうねりが大きなスクリーンとなって太陽の光を映す時,地上では白い虹となって目の前に姿を現す。地上では視点となる者の影を中心に上半分の半円を描くが,上空ではその朝靄の分布や高度によって下半分の半円や,ドローンの影を中心とする大きな円となる。

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【初夏の光溢れる沼尻平】

そんな幻想的な朝靄の尾瀬ヶ原の上空を飛ぶドローンから送られてくる映像を見,僅かな時間をとらえては,時々カメラを構えて目の前の光景を記録する。
しかし,どうしても気になる・・・。下の大堀や龍宮付近にも昨年から本格的なシカの防護ネットが張られたが,これが,写真を撮る者にとって非常に目障りな場所に所構わず張られている。シカの食害から花を守れるのは良いことだが,花をひっくるめた風景の撮影を楽しみにしている者にとっては堪らない。花あっての尾瀬,尾瀬あっての花である。ここまで風景に入り込んでしまっては,景観破壊行為の何物でもない。もっと邪魔にならない樹林帯寄りに張ることは出来るはずである。

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【展望デッキからみるミネザクラと燧ヶ岳】

尾瀬ヶ原での撮影を終え,朝露に濡れ逆光に輝く湿原を眺めながら小屋に戻り,朝食をとる。2年ぶりの龍宮小屋のモーニングコーヒーをのんびりといただいてから尾瀬沼を目指す。当初はトガクシショウマや三条の滝を見て,尾瀬沼に向かうつもりでいたが,体調や時間を考慮して,通常のルートで尾瀬沼に向かった。

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【まだ見頃のミネザクラもたくさん残っていた】

すっかり日差しが強く,森の中を歩くルートは本当に心地良い。時々現れる渓流で火照った体を冷やしたりしながら白砂峠を越えると,林内に新鮮なムラサキヤシオツツジが多く見られるようになる。所々に残雪も見られるようになり,周囲には小ぶりなミズバショウが咲いていた。少し標高が高い分,花の見頃も,全体的に尾瀬ケ原より遅れている感じだ。

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【尾瀬沼の夕暮れ】

沼尻の休憩所で昼食後に空撮し,長蔵小屋に向かう。尾瀬沼周辺の山小屋は今年はコロナ等の影響で,どこも営業を再開してから10日ほどしかたっていないせいか,人影もまばらで静かな昔ながらの尾瀬を満喫した。宿泊先である長蔵小屋のこの日の宿泊者は3名しかなく,個室でゆっくり骨休めすることができた。食事を済ませた後,のんびりと散策の時間がとれるのは,日の長いこの時期ならでは。徐々に傾く夕陽に照らされるミズバショウを撮影して,静かな山小屋に戻り,早めに休んだ。

*空撮にあたっては,DIPS・FISS登録,関係機関への連絡・調整済みです

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【夕陽を浴びて輝くカマッポリ湿原のミズバショウ】
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