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■いきなり晩秋,そして初冬へ[2] [尾瀬ケ原]

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【真っ白な霜が降りた湿原に朝の光が舞い降りる】

□10月21日(金)快晴
雲も夕焼けも一切なく満天の星空が輝く尾瀬ヶ原。寝る前にちょっと湿原に様子を見に行くと,かなり冷え込み,湿原には既に少し霜が降りていた。明日は期待できそうだ。この時期になると撮影で忙しくなる日の出の時間帯は午前6時前後。その1時間ぐらい前からガサゴソと動き回る人の物音で目が覚め,ぼんやりした頭で少しずつ撮影の準備を進める。今回に関しては晴れを疑う余地は全くなく,期待していた霜がどれくらい降りているかが気になる・・・。

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【大霜の朝は空気が冷えすぎるため朝靄は出ないことが多いがこの日は違った】

恐る恐る確認すると,湿原は期待以上に真っ白だ。近くのダケカンバやカラマツの先端まで真っ白だ。大霜であることは間違いなかった・・・。心躍らせながら,滑り止めを装着して薄暗い湿原に。頭上にあった満天の星は数を減らし,下弦の三日月が輝く。行き先をシカ柵を撤去した下の大堀にするか,ヨッピ橋方面にするか決めていなかったが,湿原を見るとヨッピ橋の方に朝靄が漂っていたので,それに吸い寄せられるように足が自然とそちらに向かう。

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【枯れて寂しげだった湿原が一気に華やぐ瞬間】

時間とともに今回の大霜の全容がはっきりしてきた。ここ数年見ていないくらいのレベルの大霜である。何処にカメラを向けても絵にはなるが,どんなふうに切り取ったら良いものやら・・・。大霜の日は相当冷えるので朝靄はそれほど出ないのだが,今回は例外的に朝靄も出ている。

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【湿原だけでなく,周囲の木々もj霧氷が付いて真っ白になっていた】

まずは,その朝靄が消えてしまわないうちに何とかしようとドローンを離陸させる。湿原,拠水林など辺り一面真っ白だ。しかも,朝靄がより一層幻想的な雰囲気を醸し出している。一通り写真撮影,ビデオ撮影を済ませていったん着陸させ,スマホ,デジカメ,デジイチで忙しく周囲の様子を撮影する。

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【朝陽を浴びて,大霜が一斉に煌めき出します】

気温-6℃。漸く朝日が湿原を照らす時間帯になる。朝陽を浴びて輝く大霜は最強だ。空撮を始めると地上の撮影が出来ないので,この時とばかりに夢中でカメラであちこちを撮影しまくる。その時間が長すぎたのかいざ空撮を再開しようとした時,事件は起こった。空撮になくてはならないスマホが真っ暗な画面のまま全く反応しなくなったのだ。以前尾瀬仲間からも聞いていたので,冷えすぎてバッテリー保護機能が働いたのだと直ぐにピンときた。暖めれば元に戻るだろうとたかをくくりポケットにスマホを入れ回復するのを待ったが結局,家に戻るまでスマホが復活することはなかった。(>_<)

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【紅葉と大霜が同居する晩秋の龍宮小屋】

空撮は諦めざるを得ず,仕方なくデジカメやデジイチでの撮影を続ける。しかし,今日一番の撮影チャンス時に空撮できないとは何とも無念だった。悔やんでも悔やみきれない。いつもなら予備に持っていたスマホを忘れたのも気の緩み・・・。大いに反省させられた。

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【湿原に鏤められた宝石の数々】

まだ大霜の光景は広がっていたが,気落ちしていつもよりも早めに小屋に戻り朝食をとる。ロビーで出発前に小屋主さんと話していたら,あちこちに撮影に出かけていた知り合いが次々と戻って来た。大霜を撮影できて満足そうな顔が並ぶ・・・。空撮は出来なかったが,大霜の撮影は出来たのだから,次にかけようと気を取り直して小屋を出た。

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【カラマツもそろそろ見頃となった長蔵小屋付近】

この後は,時間とともに増す膝と足首の痛みが心配だが,段小屋坂を経由して尾瀬沼に向かう。見晴の山小屋も開いているのは少数派になり,晩秋の段小屋坂を行き来する登山者もほんの僅か。より一層寂しさが漂う晩秋の雰囲気いっぱいの道を足を庇いながら時間をかけて尾瀬沼に到着。早々に長蔵小屋にチェックインして寛ぐ。いつもなら空撮に時間を取られるが,それがないとなると手持ち無沙汰だ。少し休んだら膝の痛みも和らいだので,デジカメだけ抱えて大江湿原や小屋の周囲でスナップ撮影。夕食の時間を待って今年最後の尾瀬の山小屋での夕食を味わって,この日も早々に休んだ。
*空撮にあたって,DIPS・FISS・機体登録,関係機関への連絡・調整済み。

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鉄まんアトム

ご無沙汰しております。コロナの影響に個人的な事情も加わって今年は全然山に行けていません。尾瀬も丸3年のブランクになってしまいました。
その尾瀬の、今年10月以降の、美しい紅葉なんか序の口で、燧の頂での明け暮れ空撮に大霜まで、もうちょっと言葉が紡げません。あっぱれであります。写真集2冊目が待ち遠しいです。

ps くれぐれもお怪我のないようご自愛を祈ります。
by 鉄まんアトム (2022-11-06 15:55) 

Aqua

鉄まんアトムさん,いつもながらの心温まるコメントありがとうございます。
大好きな尾瀬に3年も御無沙汰とあっては,かなり尾瀬への思いも煮詰まってきているのではないでしょうか? 待った分だけ,素晴らしい出会いが待っていると思いますよ・・・(^o^)
写真展に向けてこのところオーバーペースで尾瀬に出かけていますが,無理が出来ない体になってきているので,余裕を持って動こうと思うこの頃です・・・ (^^ゞ
by Aqua (2022-11-07 19:03) 

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