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初冬の稜線を飛ぶ [尾瀬ケ原]

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【朝の優しい光が至仏山の山肌を赤く染め,穏やかな一日がスタートする】

山小屋やビジターセンターが次々に営業を終了し,尾瀬のシーズンオフへのカウントダウンもいよいよフィナーレ。鳩待峠や大清水に通じる道も冬季閉鎖で通行止めになる前に一度は尾瀬入りしたい。雪があれば完璧なんだけどなぁ・・・。
週末も好天の予報だし,その前に尾瀬では雪が降りそうな予感・・・。もしかしたらとライブカメラを見ると,待ち兼ねた真っ白な尾瀬が映し出された。こりゃあ行くしかない。雪の状態にもよるが,龍宮旅館に泊まり,尾瀬ヶ原・尾瀬沼を歩きたい。

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【柔らかな光と温かい太陽の光に包まれて迎えた至福の朝】

車を鳩待峠まで走らせ,様子を見に行くと,雪は全くと言っていいほどない。鳩待峠でこの状況では尾瀬ヶ原も期待できないだろうな。この状況だと尾瀬沼に向かうべきか・・・。しかし,アネックス泊まりはできる事なら避けたい。しかも,予想以上に天気も悪い。苦渋の選択だが,一旦引き上げるしかなさそうだ。待てば海路の日和あり。

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【突然現れた雲が忙しく上空を行き来する・・・】

家に帰り,次々にSNSにアップされる尾瀬の神々しいばかりの眩い映像を見ていると,やはり,家でじっとしてなどいられない・・・。「このままじゃぁ終われない。」 今から行くのなら,雪が確実にある至仏山に登るしかない。そして,光輝く朝の光景を何としても見る。そう思い直して,しっかり仮眠を取り,その時に備えた。

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【山頂付近には先日の雪がまだまだ豊富に残っている】

暗闇の中,車を走らせ,再び到着した鳩待峠。停車している車は20台ほど。皆,車の中で休んでいるのだろうか?まだ肩が痛むので,持っていく荷物はなるべく減らしたつもりだったが,背負ってみると意外に重い。ふと,上空を見上げると満天の星空が広がる。「さて,行くか・・・」 。暗い森の中をヘッドライトの明かりを頼りに歩き出す。

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すっかり葉を落とした木々の隙間から時々顔を見せるオリオン座や上弦の月に見守られながら高度を稼ぐ。2kmを過ぎた辺りから登山道にも雪が出てきた。所々にある水たまりは雪融け水が凍ったものだ。さらに,木道は雪融け水や氷でコーティングされ,積もるように霜がこびり付いている。それに,至仏山特有の滑りやすい角の取れた蛇紋岩・・・ これでもかというくらいよく滑る。

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稜線に出る頃にはライトも要らないくらいに明るくなった。しかし,困った事に風も出てきた。登りで体が温まっているが,気温は相当低い。頬を打つ風は氷で冷やされているかのようだ。
奥白根山の東の空から朝日が顔を出し,やがて赤い光に映し出される自分の影がだんだんと濃くなる。急いで数枚撮影し,先を急ぐ・・・。光が当たるエリアも広がっていく。何とか小至仏山の山頂に着いた。ここに荷物を置いて大休止。やはり山頂付近だと吹き抜ける風はさらに強く,冷たい。

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果たしてドローンは飛ばすことは可能なのか? 不安もあったが,テストを兼ねてちょっと離陸・・・。ちょっと機体が風で揺れるが,これぐらいなら何とかなりそうだ。山陰に隠れて風を避けるように飛行させ距離を伸ばすが,ドローンから送られてくる映像を見ていると時々ガクッと映像が揺れる。上空は相当風が強いようだ。無理はできないので早めにドローンでの撮影は終了。

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気がつくと快晴だった空に急にたくさんの雲が現れ,激しく行き交い,やがて周囲を多い尽くす。
こんなに急激に天気って変わるものかと思わせるほどの急変ぶり・・・ この状況では眺望の得られない山頂に向かわず,下山する。
もうすぐ鳩待峠という所でてばまるさんに遭遇。SNSの書き込みを見てわざわざここまで来てくれたのだ。
「どぉも,どぉも・・・」このまま,てばまるさんと龍宮旅館に立ち寄り,澄夫さんに今年の最後の挨拶をしてから「カモシカ」で昼食をとってから尾瀬を後にした。

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【ドローンでの空撮に当たっては,各種法令を遵守し,関係各所に許認可を頂いています。】
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