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雪溶け水溢れる尾瀬を行く【3】 [尾瀬ケ原]

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【朝靄の中,朝陽を浴びて浮かび上がる池塘】

3日目ともなると体も自然と尾瀬時間に対応でき,日の出前に起きることにそれほど苦痛を感じない。
小屋を出ると,夜明け前のモノトーンの光景と爽やかな空気が周囲を覆う。さらにこの時期にしては珍しく,朝靄が出ていて幻想的な雰囲気を醸し出している。

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【モルゲンロートの至仏山とその姿を映す池塘群】

空撮している時間帯以外のことも考慮して,下ノ大堀に向かう。
ハイシーズンになると立つ場所もないくらい混み合うこの場所もこの日の先客は僅か1名。
燧ヶ岳の右肩付近がかなり明るくなる。一か月前を思うと日の出の位置は随分と北に移動したものだ。
そして朝靄のベール越しに見る至仏山もみるみるピンク色に染まる。

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【朝靄の下ノ大堀のミズバショウ群落地】

薄い朝靄が漂う中,ドローンも湿った空気を切り裂いて上空へと舞い上がり,眠たげな朝の尾瀬ヶ原の様子を上空から伝えてくれる。
朝陽を浴びた朝靄漂う尾瀬ヶ原もまた幻想的で素敵な光景だ。上田代にも少しだけ朝靄が漂っていた。
雪溶け水溢れる尾瀬ヶ原だが,湿原は枯れ草色から,徐々に緑色の絨毯へと変わりつつあるようだ。

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【朝日に染まる朝靄と朝日に輝く池塘群】

2回ほどフライトを済ませ地上をふと見るとうっすらと白い虹が架かっていた。
慌ててスマホのパノラマモードで撮影すると,辛うじて白虹と分かるレベルの薄い白い虹が映っていた。令和初の白虹との対面である。
この劇的に変化するドラマチックな時間帯も終わり撮影するものが少なくなったので,小屋に戻ることにした。

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【ミズバショウの群落とモルゲンロートの至仏山】

食後にコーヒーを戴きながら,小屋主さんとゆっくり談笑して小屋を後にした。
いつもよりも水かさを増した池塘。そこから常に聞こえる蛙の声に交じって遠くで聞こえるカッコウの声。頬をかすめていく風は,もう冬のそれではなく暖かく優しい・・・ あちこちのベンチでゆっくり休んでは,この日はさらにじっくり尾瀬を味わいながら帰宅した。

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【朝靄のに包まれる朝。この時期朝靄が出るのは珍しい・・・】

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【残雪が溶け出す景鶴山】

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【根開けと残雪と新緑・・・ 尾瀬にも遅い春がやってきた。】
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