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草紅葉輝く尾瀬を巡る【1】 [アヤメ平]

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【草紅葉最盛期のアヤメ平の上空からの眺めです】
[空撮に当たり関係諸機関に連絡し,各種法令遵守の上,許可を得て撮影しています]

オフ会の時もいつになく遅いヤマドリゼンマイの黄葉の進み具合が気になっていたが,高い気温の影響か紅葉の進み具合が全体的に遅れているようだ。それでも9月も終盤となり,朝晩かなり涼しくなってきたので,尾瀬の風に誘われ出かけることにした。

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【綺麗なマユミの実が鈴なりになっていました。】

秋雨前線も消え,移動性高気圧によってもたらされた久しぶりの晴天。渋滞とは縁遠い朝の道を快調に走り,鳩待峠に着いた時は午前9時を回っていた。絶好の行楽日和なのだが,平日とあって入山者はかなり少なめだ。中学生らしい20人ほどのグループが,尾瀬ヶ原に向け出発したあとは,秋風が木々を揺らす音だけが微かに響く鳩待峠の時間がそこにあった。

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【アヤメ平の草紅葉は今が最高潮。上空の雲も秋らしいです。】

尾瀬ヶ原よりも高度もあって,より紅葉が進んでいると思われるアヤメ平を経由して尾瀬ヶ原に向かうことにした。行き交う人もほとんどいない静かな登山道をいつものペースで歩き始める。森の中に鏤められたツタウルシの赤や色づき始めたモミジやブナの黄などの葉,珍しいキノコを見つけては嬉しくなる。しかし,いつもの年と比較すると紅葉の進み具合はかなり遅れている感じだ。ふと見つけた秋をスナップ程度に写してみると,見た目以上に鮮やかな色付きにハッとさせられる。

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【アヤメの崖の紅葉はちょっと先のようです。】

湿った木道に時々足を取られそうになりながら着いた横田代は,草紅葉がピークを迎えていた。。その湿原はすっかり秋色に染まっていたが,目を凝らすと,紅葉したキンコウカが逆光に照らされ,透明感のあるオレンジ色のステンドグラスのように輝く。

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【逆光を受けて,クマザサの葉が輝いていました。】

周囲の山々も秋本番に向けてまだまだ準備中だったが,黄色や赤一辺倒ではなく,たくさんの色に包まれ寧ろ変化があって楽しいくらいだ。そんな湿原で空撮をしたり,秋風に吹かれたりしながらのんびりと時間を過ごす。

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【写真に撮ると葉の色が結構変わってきていることにビックリ・・・】

アヤメ平に向かう道の途中,何カ所かで木道の修復工事が行われていた。雪に閉ざされる冬に向け,急ピッチで工事は進む。工事用の資材が木道脇に置かれ,あちこちで木道工事が忙しそうに行われるようになると,もうすぐシーズンも終わりだなぁと実感する。

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【富士見池周辺の秋と秋の空】

秋色のアヤメ平周辺の様子をドローンからの映像で確認したが,紅葉よりも逆光に銀色に輝くクマザサの葉が綺麗で印象に残った。アヤメ平で昼食後,山小屋に電話をして,久しぶりに第二長蔵小屋に泊まることになった。

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【陽の傾き欠けた尾瀬ヶ原で,まず空撮してみました。】

人通りも少なく濡れて滑りやすい木道,急な下りが続く長沢新道を慎重に下り,龍宮十字路に着く頃には日も傾いていた。ベンチに荷物を置き,日が沈む前に空撮を行う。
今朝は霜が降りる程冷え込んだので,ヤマドリゼンマイが黄葉を通り越して一気に枯れていないかと不安だったが,上空から見ると赤茶色に見えていた。確認するまでちょっと心配である・・・。

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【夕日に輝く尾瀬ヶ原と景鶴山】

急ぎ,第二長蔵小屋に向かい受付を済ませ,黄昏時の見晴のベンチで徐々に暮れていく,夕暮れの空を眺めると,直前まで出ていた雲はいつの間にか消え,至仏山の端はピンクやオレンジの混じり合った複雑な色合い・・・そして上空に目を移すと徐々に濃くなる群青色・・・。時間とともに変わっていく舞台背景の色の移り変わりをじっくりと味わった。

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【スポットライトを浴びてダケカンバも輝きます。】

今日は月もなく星の撮影には最高の条件だったが,見晴地区ではロケーションも良くないし,星の写真が撮れるところまで遠征したい気分でもないので今宵は撮影を諦め,早々に休んだ。いつもなら寝る間を惜しんで撮影に勤しむところだが,こんな贅沢もたまにはあってもいい・・・。

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【夕暮れを見ながら見晴でまったり・・・】
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