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尾瀬清秋【2】燧裏林道編 [裏燧・澁沢]

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【EVバスに乗って御池に着くと,一気に青空が広がり紅黄葉が煌めいていた・・・】

■10月14日(水)晴れのち曇り
夜半から明け方近くまでずっと雨音が聞こえていたので,全く起きる心配もしないでずっと寝ることができた。宿泊者も30名程度。まだまだ館内は寝静まったままだが,いつもよりも早い出発に備えて静かに荷物を纏める。館内放送を聞いて食堂へ向かい,外の様子に一喜一憂することもなく食事を味わっていると,だんだん人が集まり,ほんの少し賑わいを見せるが,皆静かに朝食をとっている。雨上がりの今日の天候にも似たしっとりとした朝の風景・・・。今年,長蔵小屋で過ごすその時間もこれで最後だろう。

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【日本一と言われる御池付近のブナ林。まさにそのブナが一斉に紅葉する様は壮観だ】

今日は3日間の中では一番天気が良いと思われる日だ。予報でも午前中晴れ間が広がる予報となっている。しかし,燧ヶ岳は雲に隠れたままだし,尾瀬沼や大江湿原の上空の雲は一面を覆い尽くし,晴れる気配は全くない。今日は山の鼻に予約を入れてあるので段小屋坂経由で時間を節約するか,予報を信じて燧裏林道経由するかで少し迷ったが,晴れることを信じて御池に向かった。今年こそは紅葉のベストシーズンに尾瀬を訪れ,日本一とも言われる御池付近のブナ林の紅葉を見ておきたいと思っていた。

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【渋沢の渓谷の紅葉もちょうど見頃を迎えていた。遠くに見えるのは平ヶ岳】

食事を済ませた後は,行き交う人もほとんどない道を沼山峠に向けて歩き出す。木道も濡れ,滑りやすい道を転ばぬように気を遣いながら登っていくと何人かの人とすれ違う。工事関係の人だろうか? きりぎり間に合った沼山峠8時発の電気自動車に乗り込むと,すぐに出発となった。乗客はただ一人。僅か20分程度の道だが,超絶静かなEVバスに揺られ御池に着く頃には,何故か青空が空一面に広がっていた。キツネにつままれたような気分である。さっきまでの天気は一体???

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【天神田代を過ぎるとそこはまさにブナのステンドグラスのトンネル・・・】

青い空を背景に秋の日差しに照らされた赤や黄色,そしてオレンジ色・・・多彩な紅葉が風に吹かれて,サラサラと風に揺れて輝いている。暫くそこで立ち止まって写真を撮ったり,周囲を散策したりしながら時間を過ごす。もちろん空撮も。これだけでも,こちらに回った甲斐がある。

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【紅黄葉にはやはり青い空が似合います】

そうこうしているうちに,また雲が多くなり出したので先を急ぐ。30分程度で上田代に着く。そこから暫く続く草紅葉の小湿原巡りが楽しい。しかし,燧裏林道は日当たりが悪い上,人通りも少ない,それ故,木道の整備も後回しにされがちだ。そんなわけで,古い上に苔の生えた木道がしっかり水分を含んでいるものだから,不用意に足を乗せると,とんでもなくよく滑る。慎重に歩いたつもりだったが,2度ほど転倒した。

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【たくさんの散り敷いた落ち葉を踏みしめながら歩くと秋の尾瀬を実感します】

暫く晴れたり,曇ったりを繰り返す天候の中,紅葉最盛期のゴールデンルートを歩く。天神田代から先の方が広葉樹が多く見応えがある。ダケカンバやトチノキなどの黄,楓やモミジの赤,ブナの橙に染まった葉に光が降り注ぐ。透過光越しに見る紅黄葉はステンドグラスの工芸品を見ているかのようだ。その光に包まれているといつもは暗く,寂しい感じのする林内も明るい雰囲気に包まれる。あちこちで足を止めシャッターを切りまくった。

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【渋沢の大滝を空撮しました】

三条の滝や平滑の滝も経由するつもりでいたが,時間的に厳しそうなので,この滝の撮影は空撮で済ませた。段吉新道から赤田代・東電小屋を経て山の鼻に向かう。流石に4時過ぎで木道を歩いている人は数えるほどだ。大急ぎで山の鼻小屋に向かい,熱い風呂に飛び込んだ。しかし,今日はよく歩いた。思わず頼んだ生ビールがなんとも美味しかった。
(尾瀬清秋【3】に続きます)

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【平滑の滝を上空から眺めてみました】

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【三条の滝を上空から眺めてみました】

※ドローンでの空撮に当たっては国交省DIPS・FISS登録,関係機関への連絡調整済みです。
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