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梅雨明けの尾瀬を歩く【3】 [尾瀬沼]

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【尾瀬沼を見守るように広がる銀河と夏の大三角】

7月20(火)(晴れ時々曇り)
上弦の月が沈む頃,上空を確認すると気持ちよいくらいに空一面に夏の星空が広がる。準備しておいた三脚を持って小屋の外に出ると,目の前をライトに照らされたたくさんの霧が行き交う。明朝は朝靄が期待できるかも知れない・・・。沼畔に三脚を立ててじっくりと星を撮影する。登山者も皆,寝静まり,物音一つ聞こえない静かな尾瀬沼を見下ろす天の川が尾瀬沼上空に大きく横たわり,夏の大三角が明るく輝く。

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【水分が多いせいかいつもより長い時間,朝靄が大江湿原を覆った】

他にも小屋の周辺で何枚か撮影したが,撮影開始が遅かったせいか,それほどしないうちに空が明るくなり始めたので,一旦小屋に引き上げた。1時間にも満たなかったが,尾瀬の夏の夜の満天の星空を貸しきりで堪能させてもらった。
宿泊者が寝静まり,静かな小屋の中を静かに部屋に戻り,一旦休憩。

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【定番ポイントから見る朝靄の大江湿原】

冷えた体が温まり,気持ちよくなったせいで、少し寝過ごした感じだが,再度必要な機材だけを持って小屋の外に。やはり,期待通り大江湿原にはいつも以上の朝靄が立ち込めていた。元長蔵小屋横のテラスでは,数名のカメラマンが三脚を立ててスタンバっていた。朝靄越しにうっすらと山頂が赤く色づいた燧ヶ岳が見える。既に上空では,モルゲンロート劇場が始まっているに違いない。

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【少し上空から。朝靄に包まれる大江湿原の朝】

そこで数枚撮影して,大江湿原に移動する。やはりキスゲは少ないな・・・。かつても裏年にはこのようなこともあったが,最盛期のニッコウキスゲの群落を知る者としては,今の尾瀬の状況はやはり寂しさを感じてしまう。しかし,数も分布している場所も限られるが,ちょうど見頃を迎えたニッコウキスゲが朝露に濡れ,小さなしずくの球をたくさん蓄えて朝陽が射すのを健気に待っていた。

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【今年のニッコウキスゲは時期的には見頃でしたが,完全な裏年でした】

ここで空撮開始。既に燧ヶ岳山頂を照らしていた朝陽は,尾瀬沼西岸を照らし始めていた。朝靄も大江湿原付近に澱んだままだ。試行錯誤しながら空撮に没頭していると,いつの間にか大江湿原にも光が差し込む。うまくすればここで白い虹が見れるかも知れない・・・。よく目を凝らすと朧気ながら三本カラマツを取り囲むように半円のアーチが見えた。

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【動き始めた朝靄に朝日が差し込み幻想的な光芒があちこちで見られた】

初めて尾瀬沼で見る白虹。大江湿原は地形の関係もあって,湿原に日が射す遅い時間まで朝靄が留まることが少ないため白い虹を見る機会がほとんどない。自分自身,今まで写真で見ただけで実物を見たのは初めてである。上空でドローンを飛ばしていたので,上空から見た大江湿原の白虹の撮影が一段落してから地上からも撮影した。しかし,この頃にはちょっと薄い白虹となってしまったのはちょっと心残りではある。

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【尾瀬沼で初めて見た白虹を少し上空から】

それにしても,予想以上に条件に恵まれた朝だった。大江湿原を少しだけ散策して,小屋に戻り朝食をとった。
久しぶりに太郎さんと談笑して,荷物を纏めて小屋を出る頃にはすっかり夏空が広がる真夏の尾瀬が目の前に広がっていた。

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【大江湿原で見る白虹。上空からパノラマ撮影】

夏の草が青々と茂る早稲の砂風のベンチに荷物を下ろし,最後の空撮を行い,尾瀬を後にした。梅雨明け10日。比較的天候は安定していたものの雷雨あり,夕焼けあり,白虹ありで充実した3日間を過ごすことが出来た。

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【朝靄立ちこめる尾瀬沼の朝】

*空撮にあたっては,DIPS・FISS登録,関係機関への連絡・調整済みです。
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春の息吹きの中で【3】 [尾瀬沼]

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【尾瀬沼に浮かぶ夏の星座】

■6月11日(晴れ)
今夜は新月。天候さえ許せば絶好の星景写真撮影日和だ。尾瀬沼は尾瀬ヶ原に比べて夜霧や朝靄も出にくいので星の撮影には都合がいい。深夜にふと目が覚めて窓の外を確認すると,雲一つない満天の星空が広がっていた。

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【明ける大江湿原。尾瀬沼の朝靄が立ちこめている時間はそれほど長くありません】

昨夜は星の撮影を諦めていたので,条件の揃ったこの日は寝るわけにいかない。小屋の周りをカメラを担いで歩き回り,所々で撮影を繰り返す。尾瀬沼の南側には,なだらかな皿伏山しかないため,低い位置にある蠍座もしっかり撮影できた。短い時間で引き上げるつもりでいたが,熊よけにつけたラジオを聞きながら1時間ほど撮影を続けて部屋に戻った。

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【朝陽に染まる尾瀬沼】

日中の気温は高いとはいえ,やはり夜は相当冷え込んで体も冷えたせいか,布団に入って温まると直ぐに眠ってしまった。
寝過ごさなければいいけどと思いながらも目覚ましを設定する前に眠りについてしまったようで,気付いた時には既にライトがいらないくらいに明るくなっていた。「やばい・・」

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【朝日を浴びる三本カラマツ】

必要な機材だけを詰め込んだリュックを担いで小屋を出る頃は,燧ヶ岳の山頂は朝陽を浴びて赤く染まっていた。大江湿原には僅かだが朝靄が漂い,初夏の朝らしい爽やかな光景を見せていた。まず,小屋の周りを簡単に撮影してから,ドローンで撮影を始めた。

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【陽が当たると僅かについていたしもが溶け出し,輝く】

朝靄もまだ消えずに残ってはいるものの,尾瀬沼周辺の朝靄は薄く控えめで,上空からではそれほどの存在感はない。上空からは,遠く至仏山や景鶴山も見ることが出来る。季節や時間が変わると見えてくるものや撮りたいものが毎回変わってくる。今まで気付かなかったものを見つけては驚き,心躍らせながらも撮影を進める。手を変え品を変え,同じような場所をあてもなく何度も飛び回る。だから,できあがった写真や動画はいつも行き当たりばったりになってしまうのだが・・・。

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【僅かに霜が付いたコバイケイソウの葉】

そして,朝陽が大江湿原にもやっと届くと,その光は真っ先に三本カラマツを照らし出す。スポットライトを浴びた舞台女優のように,凜と立つ大江湿原のシンボルを浮かび上がらせる。朝靄でしっとりと濡れたカラマツの葉がきらきらと煌めき,そして輝く。その儚くも美しい瞬間を夢中で記録した。

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【ヤマドリゼンマイも朝露に濡れ,生き生きとしていた】

気付くと大江湿原を包んでいた朝靄はいつの間にか消え去り,眩しい光が辺りを照らしていた。ドローンでの撮影を一旦休止して,眩く輝く湿原の表情を切り取る。ドローンを飛ばすことに夢中で見逃していたが,木道や湿原には僅かに霜が降り,小さな花やコバイケイソウは白く縁取られていた。しかし,それも束の間,朝陽を浴びた場所から,その僅かな霜が溶けて朝露をとなって輝く。一本一本の草までもが美しく,そして儚い。一期一会の貴重なこの瞬間が消えてしまう前に記録しなくては・・・ 

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【この時期としては大変珍しく,3日間晴れてくれました】

時間も忘れて夢中で撮影していると,いつの間にか朝食の時間になってしまったので急いで小屋に戻る。食事を済ませ,朝のコーヒーで一服。朝の撮影をすませた後の至福の時。このまったりとした時間がたまらなく好きだ。
荷物を纏めて小屋を出発する頃には,太陽は高く,空はからっと晴れ渡っていた。今日も天気は良さそうだ。梅雨入り前のこの3日間,奇跡的に晴れてくれたことに感謝したい。思うような撮影もできたし,久しぶりに山小屋でゆっくりすることもできた。三平峠を越え,賑やかなハルゼミの声を聞きながら,のんびりと大清水に戻った。

*空撮にあたっては,DIPS・FISS登録,関係機関への連絡・調整済みです

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【不明です。どなたかご存知でしたら宜しくお願いします・・・】
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尾瀬清秋【1】尾瀬沼編 [尾瀬沼]

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【一ノ瀬~三平峠間の紅葉。ここ紅葉も色彩豊かで美しい】

2020.10.13~15 
尾瀬沼から燧裏林道を通り,尾瀬ヶを歩いてきました。その時の様子を備忘録程度にまとめておきました。お時間のある時にご覧ください。

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【透過光越しに見る紅葉はやっぱり別格である】

■10月13日(火)曇り時々晴れ
前回尾瀬を訪れてから約10日。紅葉のピークはこの頃と予想し,新型コロナウィルスによる失われた旅行需要の回復や観光関連消費喚起のための「Go To Travel」キャンペーンも利用して宿を予約した。このキャンペーンでは宿泊費用の35%割引+地域共通クーポン券が配布されるという。

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【ブナやトチノキなど紅葉はそのピークを迎えようとしていた】

今回の目的は,なかなか訪れる事のできない紅葉のベストシーズンに尾瀬を歩くことである。そこで今回,絶対に外せないと思ったのが,大清水~三平峠,そして御池~赤田代を結ぶ燧裏林道である。特にこのルートはブナ等の紅葉が圧倒的に綺麗な場所である。天気は3日間とも曇りの予想だが,少しだけも晴れてくれたら・・・と祈るような気持ちで家を出発した。

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【沼尻付近を空撮。湖面の色合いが独特である】

直前まで雨が降っていたこともあり,出発はいつもよりも遅め。大清水~一ノ瀬間はまだ紅葉には少し早い。時間節約ということでシャトルバスに乗り,大清水を午前8時に出る。一ノ瀬について辺りを見回すと,今を盛りと色を競い合うブナ・クヌギ・モミジ・ カエデ・ダケカンバ等が雨に濡れ,より一層その色合いを深めていた。黄色やオレンジ色を主体とした尾瀬の紅葉は,全山燃えるような紅葉と呼ぶほどの派手さはないが,落ち着いた美しさがある。

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【草紅葉とカンバの森の黄葉が尾瀬沼の秋を演出している】

いつもなら汗を流しながら,ただひたすら登るだけの道であるが,あちこちで歩みを止め,写真を撮りながら進むので退屈しない。じっくり進むためそれほど疲れることもない。岩清水を過ぎた頃から,雲間から漏れた光が黄葉した木々を照らす。それまでも十分過ぎるくらい綺麗だったが,透過光で見る黄葉は何十倍も鮮やかだ。やはり太陽の力は偉大だ。この時とばかりにカメラを次々に変えては何枚もシャッターを切るため,益々ペースは遅くなる。

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【通称「カンバの森」と呼ばれているがちょっと上空から見るとその全体像が見える】

13時30分頃に三平下に到着。秋のシーズン真っ最中なのにそれほど混雑はしていない。天候は相変わらず,時々,陽は射すものの圧倒的に雲が優勢。風も強い。早稲の砂風のベンチに荷物を置き,のんびりとお昼を食べながら天候の回復を待つ。風が強いのでちょっと不安はあったが,何度かドローンを飛ばしての撮影も試みた。

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【ほとんど雲に覆われ,晴れ間の少ない日だったが,要所要所で晴れてくれた】

さらに,宿泊先の長蔵小屋周辺を歩き回っているとだんだん日差しの出ている時間も長くなってきた。それでも猫の目のようにくるくる変わる天気で,その後,また急に雲が厚くなり雨が降りそうな天候に変わってしまったので,早々に小屋に入って寛いだ。
(尾瀬清秋【2】に続きます)

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【トチノキの黄葉。自然が作り上げるものは細部まで丁寧に作られていると改めて思う】

※ドローンでの空撮に当たっては国交省DIPS・FISS登録,関係機関への連絡調整済みです。
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梅雨空の下の尾瀬縦断【3】 [尾瀬沼]

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【直前までの激しい雨が信じられないくらい,突然空が赤く染まり出しました】

 明るくなってきたので,窓から外を見ると一面の雲に覆われ燧ヶ岳さえ見えない。とても撮影できる状態ではないので,そのまま布団に潜り込み微睡んでいるとそのうち激しい音を立てて猛烈な雨が降り出した。眼を閉じその音を聞いていて安心したのだろう,暫く眠ってしまった・・・ 。ふと気付くとそろそろ日の出の時刻が迫っている。

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【待ち望んでいた青空と夏の雲とニッコウキスゲのコラボ。最後の最後にやっと出会えました】

 窓から見える空は一部が赤い色に染まっている。ひょっとすると・・・ カメラを持ち出してサンダルを履いて急いで湿原まで走る。時間とともに尾瀬沼を覆っていた雲がみるみるオレンジ色に染まり出す。いつしか東だけでなく南の空の雲も赤く色づいてきた。ほんの10分程度の短いドラマだったが何があるか分からないものである。ビショビショになった靴下を履き替えるため小屋に戻るといつもの梅雨空に戻ると,また雨が降り出した。

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【光が戻った大江湿原。でもこのくらい高いとキスゲの群落はわかりにくいです】

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【小淵沢田代への分岐から尾瀬沼方向を望む】

 ゆっくり食事をとり,朝食後のコーヒーをゆっくり飲んで雨が上がるのを待ってゆっくりチェックアウトした。ウェザーニュースの天気予報では,午前中に雲がとれる予報が出ているのでせっかく来たのだから青空に揺れるニッコウキスゲが見ようとビジターセンターで待機するが,なかなか天気は良くならない。館内やビジターセンターの周囲をぶらぶらしていると,そのうち徐々に空も明るくなってきたので荷物を担いで大江湿原に繰り出す。

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【燧ヶ岳もやっと顔を見せてくれました】

雨に濡れながらもコオニユリもいくつか咲き出していた。そんな瑞々しい高山植物を撮影しながら待っていると,急速に雲が取れ,みるみる青空が広がった。この3日間,青空らしい青空はほとんど見ていなかったので,青空欠乏症になっていたのだろう・・・。青空を入れ込んだ写真を何枚も撮影してしまった。青い空と白い雲,そして夏の風に揺れるニッコウキスゲ・・・ 見たかったものが全てそこにあった。

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【朝の雨に濡れしっとりとしたニッコウキスゲ】

ニッコウキスゲのピークは数日前であることは明白だが,まだまだ見応えのある状態である。思い返せば,本当にこの3日間よく雨が降った。しかし,それは夜とか朝の時間だけで,日中歩くのにはほとんど支障がなかったし,何より雨続きのこの天候の中で最後の最後に夏空広がる尾瀬を歩けたことに感謝したい。

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【コオニユリも咲き出しました。朝降った雨のしずくが綺麗です】

【空撮に当たっては関係諸機関の許認可を得て撮影しております】
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尾瀬を彩る秋の競演【1】 [尾瀬沼]

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【紅葉の見頃を期待したけれど既に後半戦。カラマツが綺麗に色づいていた。】
[空撮に当たっては関係各種に連絡し許可を得て撮影しています]

あちこちのSNSを訪問すると,鮮やかな紅葉に包まれた尾瀬の光景が溢れていた。昨年,ケガのために紅葉に包まれた平滑・三条の滝を撮影することが出来なかったので,今年はこれだけは撮りたいとこの日を待った。何とか天気も回復しそうな週末,山小屋に予約を入れた。今回は尾瀬沼から尾瀬ヶ原に入り,滝めぐりをして燧裏林道のブナの紅葉を見る計画だ。

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【尾瀬沼の紅葉も所々綺麗なものがありますが,既に終盤を迎えている】

紅葉狩りの行楽客で混雑すると到着が大幅に遅れることを見越して,前回同様早めに出発したが,高速道路も途中の道の駅の混雑もそれほどではなかった。3時間以上運転して着いた御池。遅れ気味とはいえ,まだ紅葉シーズンの真っ最中。混雑していると思ったが駐めている車は50台ほど。ちょっと拍子抜けだ・・・。

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【三本カラマツの黄葉が丁度良い色合いだった】

直前まで雨が降っていたため,道路も森もしっとりとした空気が満ちる溢れている。重い撮影機材を背負いバスに乗り込む。乗客は30名ほど。出発する頃には雲も切れ青空も顔を出すようになった。そこから時折光が漏れ,紅葉が最高潮に達したブナ林を照らすと言葉で言い表せないくらい美しい。燧ヶ岳の山頂が顔を出してくれたのも嬉しい。

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【夏にはたくさんあった藻がまだはびこり,良いアクセントになっていた】

バスから吐き出された人について,木道にたくさん敷き詰められた落ち葉を踏みしめながら沼山峠に向かう。油断すると滑るので慎重に・・・。通行には支障がないようにきちんと管理されているが,台風の影響は明らかで,森の中には倒木があふれていた。

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【沼尻上空には不思議な雲が・・・】

すっかり晴れ上がった大江湿原に出て,思いっきり空気を吸い込む。遠くに見える三本カラマツもちょうどいい具合に黄葉していた。尾瀬沼の紅葉はもう終盤かぁ。紅葉のピークに訪れたかったが,そのタイミングというのは1・2日ぐらいしかないのかも知れない。気まぐれな秋の天気と相まって,つくづくよい条件で紅葉を見る難しさを感じた。

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【尾瀬ヶ原に近づくと綺麗な紅葉がたくさんあった。】

尾瀬沼の晩秋の様子を空撮したくて何度かドローンを飛ばした後,少しだけ長蔵小屋付近を散策して沼尻に向かう。沼尻休憩所は既に今年の営業を終え,閑散としたそのテラスの上で登山者が思い思いに休んでいた。尾瀬沼の周辺は尾瀬ヶ原よりも落葉樹が少なく,紅葉という点ではちょっと物足りない。

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【ブナの多い燧裏林道に続く道。やはりブナの紅葉は綺麗である】

すっかり天気も良くなり,森の中にもたくさんの光が溢れている。尾瀬ヶ原は尾瀬沼よりも200m高度が低い分,紅葉の時期も若干遅いため,尾瀬ヶ原に向かって行くと徐々に紅葉が色鮮やかになるのが分かる。しかも,太陽の光越しに紅葉を見ることになるので,まるでステンドグラスか木の葉のスライドショーを見ているような感覚だ。何度も立ち止まり,スマホやカメラを取り替えて写真を撮りながらゆるゆると進む。

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【夕陽に照らされてススキの穂が輝き,揺れていた】

見晴に着いたのは午後3時。見晴地区の山小屋で開いているのは檜枝岐小屋と燧小屋のみ。他の山小屋はすっかり冬囲いをして人の気配もない。シーズンオフ間近の檜枝岐小屋の前のベンチに座り,秋の午後の寂しく,気怠い時間をぼんやりと過ごす。紅葉はまだまだ見頃なのになぁ・・・。途中で空撮をしたりしながら今日の宿泊先・龍宮小屋に向かう。

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【夕暮れ迫る中田代・・・】

小屋では,JUNさん,花見さん夫妻,たもあみさん夫妻,多羅尾さんなど多くの尾瀬仲間に再会した。夜になると小屋主さんや見晴にテン泊しているてばまるさんも加わり,ミニオフ会になった。いつもの賑やかなシーズン中の尾瀬に戻った感じだ。消灯時間近くになるまで,みんなの尾瀬談義で話が弾み楽しい時間を過ごした。

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【「秋は夕暮れ」の言葉がぴったり。いくら見ていても飽きません。】
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夏がきた【1】 [尾瀬沼]

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 雪が溶けたら尾瀬に向かおう,こんな写真を撮りたいという思いばかりが先行するが,なかなか思うような天候にならない。ドローンでの撮影を考えると晴れて欲しい。貴重な晴れの日は生憎の出勤日と重なるなど思うようにいかない。そして待ちに待った梅雨明け,いつの間にか2カ月が過ぎ去った。やはり,雨でも行くべきだったな・・・。

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【ドローンで上空から見た大江湿原のパノラマ画像。空撮許可取得済みです。】

 御池に着いたのは家を出てから3時間後。9時発のシャトルバスに飛び乗ると車内は平日だというのに多くの乗客で溢れていた。バスは今年から登場した電気(EV)バス。モーター音がするだけの静かな車内には大きめのモニタがあり,尾瀬の見所やEVバスのプロモーションビデオが流されていた。

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【青い空に真っ白な雲。そしてニッコウキスゲ・・・ ついに夏ですね】

 久しぶりに背負う荷物がずっしりと肩に食い込む。ゴゼンタチバナやギンリョウソウの出迎えを受け,季節の移ろいを改めて思う。沼山峠展望台からドローンを飛ばす。ニッコウキスゲの見頃は既に過ぎてはいたが,梅雨明けが遅れ低温の日が続いたこと,シカ柵の対策が功を奏したこと,豊作であったこと等の条件が重なり,見れる状態が長続きしているようだが,上空からはほとんど確認できなかった。

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【日差しを遮るもののない湿原を歩いていると木陰が恋しくなります。】

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【誰が食べたの???】

 大江湿原のニッコウキスゲの群落は徐々に回復傾向にあるようだ。大江川西岸はシカによる食害の影響で,ほどんど花が見られなくなっていたが,今年はポツポツとキスゲの黄色い花が見られた。以前のような大江湿原一面を埋め尽くすニッコウキスゲの群落を目のあたりにするのもそう遠くない日であると信じたい。

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【ヤナギランも先始まりました。もう既に晩夏の様相?】

 長蔵小屋の宿泊者は少なく個室となった。ただ目の前のビジターセンター工事のためのむき出しの鉄骨が雰囲気をぶちこわしていた。

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【コオニユリ。ちょうど見頃であちこちで咲いていました。】

 夕焼けの撮影も望み薄だったので,部屋でのんびりと過ごしていたが,外の異様な雰囲気に慌ててカメラを持って外に飛び出す。空全体が雲に覆われているのに何故か一面の雲がオレンジ色に染まり,その色を映して周りの森も湿原も・・・目の前の全てが不思議なオレンジ色に染まっている。未だ嘗て見たことがない感動的な光景だった。

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【マスタケ。食べない方が良いようです。】
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真夏の尾瀬縦断【3】 [尾瀬沼]

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日に日に天候が安定してきている。日中もずっと晴れたままだ。
こうなると尾瀬ヶ原の白虹が気になる。無い物ねだりしても仕方がないが,尾瀬沼はほとんど白虹は期待できない。
たまに尾瀬沼の白虹写真を見かけるが,それこそ,オコジョを見るくらい貴重な体験なのだ。
この日の朝も早々に白虹を諦めた。風があって朝霧さえ漂っていない。

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【↑↑↑↑↑ 夜明け前の尾瀬沼 ↑↑↑↑↑】

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【↑↑↑↑↑ 朝陽を浴びる三本カラマツ ↑↑↑↑↑】

少し早めに起きたが,そんなこともあり月明かりの尾瀬沼周辺と星の撮影を試みた。
そして,徐々に星は消え,空の明るさが戻ってくる。
さらに,朝陽を浴びた周囲の山々を撮りたくてドローンを飛ばした。
頭の中ではこういう映像が撮りたいとは思うのだが,なかなかドローンが言うことを聞いてくれない。
悪戦苦闘するうち,朝食時間となったので小屋に戻る。相変わらず早いほうとは言えないので急いで食事を済ませる。

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【↑↑↑↑↑ 浅湖湿原の朝の様子 ↑↑↑↑↑】

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【↑↑↑↑↑ 尾瀬沼東岸の様子 ↑↑↑↑↑】

今日は下山するだけなので,久しぶりに尾瀬沼でのんびりした。
あっちこっちフラフラしながら早稲の砂布(わせのすなっぷう)付近でもじっくり腰を下ろして撮影タイム。
今日は土曜日。流石に好天の夏休みの週末とあって,行き来する人も急激に増えた。

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【↑↑↑↑↑ 尾瀬の三大役者揃い踏み ↑↑↑↑↑】

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【↑↑↑↑↑ 尾瀬沼の中心で何を叫ぶ? ↑↑↑↑↑】

森が強烈な日差しから守ってくれる。冷たそうな沢の水音や小鳥のさえずりに交じって,
時折強く吹く風に吹かれた木の葉が擦れ合い涼しげな音を奏でる。
こんな,天国のような場所から徐々に茹だるような灼熱地獄の現実に引き戻されていく。
この3日間はこんな素敵な場所で素晴らしい景色に巡り会うことができ夢のような時間を過ごすことができた。
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【↑↑↑↑↑ 早くも咲き出したヤナギラン ↑↑↑↑↑】

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【↑↑↑↑↑ ヤマトリカブト ↑↑↑↑↑】

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【↑↑↑↑↑ ジョウシュウトリカブト ↑↑↑↑↑】
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新緑眩い尾瀬を翔る【3】 [尾瀬沼]

先週,尾瀬沼~尾瀬ヶ原を縦断して新緑の尾瀬と滝を空撮してきました。
その動画をFull HD画質でまとめました。長いので尾瀬沼編と尾瀬ヶ原編に分けたいと思います。
今回は「尾瀬沼編」です。湿原に落ちる雲の影の流れが面白いです。
また,360°パノラマをアップしましたので,是非全画面表示でご覧ください。
【ドローンで空撮するに当たっては,関係各所に許認可を頂いた上で撮影しております。】


【沼山峠から今はほとんど眺望が得られなくなったのでドロ-ンで是非見たいと思ってました】

新緑眩しい尾瀬・大江湿原上空からRICOH THETA


【燧ヶ岳の雲も取れ,すっきりと晴れ上がりました】
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新緑眩い尾瀬を翔る【1】 [尾瀬沼]

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【ドローンで撮影するにあたっては,関係各所で許認可を頂いてから撮影をしております。】

[HPに流用できるように「日記」形式でまとめました]
5月20日(晴れ)
 今年の尾瀬は,例年よりも雪が少なかった影響で,季節の移ろいも2週間ほど早い。天気もまずまずだし,ミズバショウも見頃なので急遽出かけた。

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【御池までの道沿いはタムシバがたくさん咲いていた】

 ミズバショウのハイシーズンの週末はいつもなら混雑必至。しかし,今年は花の時期が前倒しされたことでツアー客の募集が追いつかなかったのだろう。尾瀬は今,閑散期。山小屋だってまだ開けていないところもあるくらいだ。ゆっくり花を愛でながら,暖かくなった尾瀬を散策するには絶好の条件が揃った。コースは,沼山峠から尾瀬沼経由で白砂峠を越え,尾瀬ヶ原に出て龍宮小屋1泊,御池に抜ける予定だ。そこで,ミズバショウとトガクシショウマを見て,2つの滝の上空からの撮影を試みたい・・・。

 御池には9時に着いたが,途中で一瞬顔を出した会津駒ヶ岳や燧ヶ岳の中腹以上は樹氷や積雪で真っ白になっていた。昨晩は尾瀬沼でも2~3cmの積雪があったそうだ。もう少し早めに入山していれば,新緑と新雪のコラボが見れたのに惜しいことをした。

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【沼尻湿原の池塘も雪融け水が溢れる】

 10人程度の乗客とともにバスに揺られて沼山峠へ。雪が完全に消える前に沼山峠展望台に着きたいと思い先を急ぐ。ここでまず最初の空撮。数十年前,この峠から俯瞰した大江湿原と尾瀬沼の写真を見た。オオシラビソが今よりもずっと小さく良い眺めが得られたのだが,今では尾瀬沼と三本カラマツが僅かに見える程度だ。木を切ってくれるとは思えないし,叶わない夢となっていたが,ドローンでちょっと高度を上げればそれも可能だ。雪は完全に消えていたが,昔ながらの光景を目にすることができた喜びは大きかった。

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【すっかり雪も消え,新緑が徐々に尾瀬を覆っていく】

 大江湿原に出て歩いているうちに,雲に隠れていた燧ヶ岳も顔を出し,空一面の青空が広がった。湿原を吹き抜ける風や周囲の森に響き渡るカッコウの啼く声も心地よい。正に春を実感する瞬間である。長蔵小屋前の冷たい長命水をたっぷり補給して,尾瀬ヶ原に向かう。ビジターセンターの工事は相変わらずはかどっていない・・・

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【ブナの新緑が初夏の日差しを受けて,眩く輝く】

 沼尻につくとまだ営業は始まってはいなかったが,その傍で数人が休んでいた。しかし,そのテラスは中央付近で「く」の字に曲がっていた。雪の重みで曲がったのだろう・・・このままで予定通り営業を始められるのか?心配な状況だ。
 このコースにあんなにあった雪もほとんど消え,白砂峠付近に僅かに残るのみでとても歩きやすく,写真を撮りながら歩いてもほぼコースタイム通り。尾瀬ヶ原に着く頃には午後の日差しが新緑を照らしていた。日曜日の午後,行き交う人もほとんどいない・・・。贅沢な時間を過ごす。

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【午後の尾瀬ヶ原もほとんど萌葱色に染まっていた】

 龍宮小屋に荷物を置いて食事前に長沢に向かう。ミズバショウは前回よりも花も群落も大きくなり,見応えがあった。たぶん龍宮小屋の宿泊客であろう数人がここに集まり,食事前の撮影を楽しんでいた。すると,たもあみさん夫妻を発見。昨年の取材の時以来だ・・・。

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【午後の日差しを受けて,雪融け水がキラキラと光り,輝く】

沼山峠~長蔵小屋~沼尻~白砂峠~見晴~竜宮小屋(31,436歩)
【2日目に続く】
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初尾瀬は,ドローンとともに・・・【3】 [尾瀬沼]



尾瀬沼で撮影した動画を編集しました。
4Kで撮ったものをFull HDに落として編集しています。
【ドローンで撮影するに当たっては,関係各所に許認可を頂いた上で撮影しております。】

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