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■温暖化の中で迎える秋[1] [尾瀬ケ原]

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[やっと弾けたマユミの実。でも葉はまだ緑色]

□9月24日(日)晴れ 23,281歩
 日本各地で連日猛暑が続き,真夏日の日数が過去最高を記録し,9月になってもその高気圧は陰りを見せず残暑に見舞われ続けた今年。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので,9月も半ばを過ぎ,気温は相変わらず高いものの朝夕は過ごしやすくなった。それと同調するように天候も不安定になり,安定して晴れる日は少なくなった。この暑さで遅れている初秋の尾瀬の様子が気になって,好天が予想される日に一泊で尾瀬に向かった。

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[遅れていた草紅葉もようやく色付き始めましたが,場所によってばらつきがあります]

 昨日は天候の回復が遅れたが,久しぶりの晴天の週末とあって第一駐車場は既に満車。第二駐車場から鳩待峠へと向かった。鳩待峠では,重機が大きな音を立てて休憩所と山小屋の工事を急ピッチで進めていた。気が付けばもう9月下旬。今年,工事できる日はそう多くない。流石に今日は日曜日。いつもの尾瀬と違ってひっきりなしに人がやってくる。

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[秋の空を映す池塘と草紅葉の始まった湿原]

 今朝方まで雨が降っていたのだろう。森の中に入ると登山道がしっとりと濡れていた。特に厄介なのは濡れた木道だ。以前に比べて滑り止めがあちこちに取り付けられ歩きやすくはなっているが,気を緩めると足元を掬われる。注意していたつもりだったが,一度だけ派手に転倒して手首を捻った。

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[草紅葉の進行状況によっていろいろな色合いが楽しめるカラフルな湿原]

 山の鼻に着くと木陰のベンチで登山者がたくさん休んでいた。ビジターセンター前のマユミの実が赤く色付いて綺麗だったので撮影していると,目の前に薫さんが現れた。見晴地区でのイベントを済ませて下山するところだった。写真展には来ていただいたものの尾瀬で会うのは2年ぶりだ。シーズン終了までまだ何度も入山するようなので,今年はまた会えそうだ・・・

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[青い空に真っ白な雲が盛んに行き来していました]

 人で賑わう山の鼻から研究見本園に進み,一番奥にあるベンチで大休止。既に秋色に染まり始めたから湿原越しに吹いている風を感じながら,軽めに昼食をとる。山の鼻の賑わいが嘘のように静かな別世界が広がる。ここから見る景色も長い間に様変わりした。一番の変化は,中央部で写真のアクセントにもなっていたシラカバが軒並み枯れてしまったことだ。

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[温暖化による高温の影響で,今年の花暦は終盤戦。秋の花は見頃を過ぎてしまいました]

 ピーカンの青空に浮かぶ真っ白な綿雲をのんびりと眺めながら,上田代に向かう。湿原の様子は,いつもなら9月初旬に行っている尾瀬オフ会の頃と同じような状況だった。ずっと気温が高かったせいで花暦はいつもよりも早め早めに推移し,秋の訪れは極端に遅れている。いつもは今頃はヤマドリゼンマイが赤く色付いている時期なのに,牛首辺りのヤマドリゼンマイもまだ緑色をしていた。

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[遅霜に痛めつけられたヤマドリゼンマイもやっと本格的に色付いてきました]

 尾瀬ヶ原を歩いている時には,雲の勢力が強くなり,カンカン照りの日差しからは逃れることが出来たが,日頃の不摂生がたたったのか平坦な木道を歩いているだけなのに少々バテ気味。熱中症だけは避けようと,こまめに給水しながらヨッピ橋へ。やはり,ヤマドリゼンマイの黄葉は全体的に遅れているようだ。ただ,遅霜の影響で再生した事もあってか,その色合いには明らかにばらつきがあった。これも温暖化の影響と言えるだろう。

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[午後の日差しに輝くヤマドリゼンマイ。黄葉は透過光越しに見た方が綺麗です]

 多くの登山者と行き交い挨拶を交わしたが,午後2時を過ぎた頃から人の行き来がほとんどなくなった。やはり,今日の好天に誘われて日帰りで訪れた人が多かったのだろう。ベンチに荷物を置いて,心ゆくまで初秋のヤマドリゼンマイや尾瀬ヶ原の空撮をして,龍宮小屋に向かった。

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[ススキがあるといかにも「秋の夕暮れ」という感じがします]

 2か月ぶりの龍宮小屋で受付周辺をウロウロしていると,たもあみさん夫妻が現れた。土曜日から来ているとのことで写真展以来久しぶりにゆっくりと話した。
夕食前にふと外を見ると,太陽が傾き,雲がいい感じになってきたのでカメラを持って出かける。派手な夕焼けでは無かったが,秋を感じさせる穏やかな夕暮れだった。食事後,小屋主さんやたもあみさんたちと談笑して,部屋に戻た。

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[明日の好天を約束してくれているような夕暮れとなりました]

*空撮にあたり,DIPS2.0での機体登録・飛行計画登録,関係機関への連絡・調整済み。


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