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ミズバショウの季節のあとに・・・(2日目) [尾瀬ケ原]

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 何年か前から,尾瀬での楽しみに星の撮影が加わった。今回は下弦の月なので,月が昇る前に星の撮影を済ませようと考えていた。薫さんたちと話しているうちに空を覆っていた雲は,いつの間にか消えた。急いで小屋を出発する。様子を確認するためライトを消すと,上空には星空が広がっているが,ライトを点灯すると小さな霧の粒が目の前を横切る。

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 さらに,空気がだんだん冷えてきてあちこちで夜霧が発生している。尾瀬は星の撮影には向かない場所だとつくづく感じる。周囲の物音を気にしながら、目的地に急ぐが気ばかりが焦る。やっと着いて急いで準備を進めるが数枚撮影を終えるとだんだん霧が濃くなってきた。時々、濃くなったり薄くなったりを繰り返すが、徐々に霧の勢いに押され、周囲は真っ白に・・・。これでは撮影は無理とあきらめ、小屋に戻る。撮影時間は僅か30分にも満たない。

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 シーンと静まりかえった小屋で荷物をまとめ一眠りする。
3時頃に目を覚まし、外を確認すると、相変わらず外は真っ白だ。部屋でのんびりと明るくなるまで横になって待つ。明るくなり始めたので歩き始めると足下がスルリと滑る。木道に降りた夜露が凍っていたのだ。よく見ると湿原には霜も降りていた。

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 龍宮十字路ではJUNさんがスタンバっていた。途中で忘れ物に気付き急いで小屋に戻り,龍宮十字路に戻る頃は至仏山頂に朝の光が灯っていた。朝靄は周囲に漂っていたので白虹も見れるかなと期待したが,太陽が昇る東の低い位置に低く黒い雲が立ち込め,その願いは叶わなかった。それでも,朝のダイナミックな空気の流れはあちこちで様々なドラマを生み出す。あちこちに忙しくカメラを向け,撮影に集中した。これこそ至福の時間・・・。

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木道に着いていた氷が溶け,歩きやすくなった頃小屋に戻った。
人影の少なくなった食堂で朝食を済ませ,小屋を出る頃には一番最後になった。徐々に雲が多くなっていたが,昼頃まではもちそうだとの情報を信じて尾瀬ヶ原をゆっくり散策した。

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 昨夜通った時は暗くて確認できなかったが,ヤマドリゼンマイの芽吹きも始まっていた。池塘では蛙の声が響き,遠くの森ではカッコウの声が響いていた。前回,取りたくても取れなかった,ゆったりと流れる時間。何者にも代えがたい貴重な時間を味わいながら鳩待峠に向かった。

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コメント 4

hanami

ヤマドリゼンマイもすくすくと背を伸ばしてきてますネ。
ミツガシワにも逢いたいな…。
そろそろ雨の季節を迎えますが、青空の写真を見ると晴れの日に行きたくなりますネ。
by hanami (2016-06-03 09:11) 

てばまる

湿原は夜霧が出やすいですから、快晴予報でも星空撮影は難しいときがありますね。でもこの霧が尾瀬の自然を維持するのに必須なんでしょうね。

by てばまる (2016-06-03 09:29) 

Aqua

>hanami さん
この時期のヤマドリゼンマイは形がユーモラスで,成長が急激なので見ていて飽きませんね。湿原はいろいろな花が入れ替わり立ち替わり咲いていていつ行っても新しい発見がありますね。
by Aqua (2016-06-04 00:24) 

Aqua

>てばまる さん
寧ろ快晴の方が星の撮影に向かなかったりすることもあるから尾瀬は厄介ですね。まあ,それが尾瀬らしさだし,尾瀬の良さでもあるわけですけど・・・。
by Aqua (2016-06-04 00:25) 

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