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■真夏の光溢れる尾瀬へ[1] [尾瀬ケ原]

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【真夏の空を映す池塘群】

□6月30日(木)晴れ時々くもり
 史上最速の梅雨明け,そして,6月にもかかわらず全国各地で気温が40℃を越え,東京では連日35℃以上の真夏日が9日も続く異常事態となった。偏西風の蛇行がその原因だという。ほぼ一週間続く晴天の予報を目にして,足は尾瀬に向かった。

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【もうダメかなと諦めていたズミですが,研究見本園で何とか見ることが出来ました】

 時期としてはワタスゲも見頃を迎え,至仏山も7月に入ると登山解禁となる。高山植物を求めて多くの登山者が訪れ,週末ともなれば一気に混雑するだろう・・・。
いつもなら梅雨の真っ只中で出かける機会もそれほど多くないが,いつもならワタスゲやレンゲツツジが見頃となる時期だ。
戸倉の第一駐車場は平日だというのにいっぱいだ。ちょうど出発待ちをしていた小型バスに揺られて鳩待峠に着いたが,予想以上に雲が多く至仏山頂も雲の中に隠れていた。

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【牛首付近。いつもはワタスゲの群落が見れる場所ですが,暫くここの群落は見ていません】

 今年もヤマスタのスタンプラリーが良いタイミングで始まっていたので,チェックポイントでチェックインしながら歩くことにする。まず,鳩待山荘からと思い,受付に入ると来栖支配人が。ちょっと談笑して山の鼻に向かう。雲の隙間から漏れる強い日差しを逃れるように薄暗い森に入る。平日のため,児童・生徒が次々と尾瀬学校で入山してくる。所々で立ち止まって説明している横をすり抜け,山の鼻に着くと至仏山荘前に見覚えのあるカメラザックが。

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【ちょうど見頃を迎えていたウラジロヨウラク。今年は当たり年のようだ。】

 至仏山荘にいた新井先生に挨拶をしてから,見本園に向かう。ミズバショウシーズンはすっかり終わったが,その後,シカ柵の効果があってミツガシワが例年以上の群落を作っているというので,それを確認したかったからだ。見本園内を一周したが,ミツガシワの見頃は既に過ぎ,フワフワになったワタスゲが気持ちよさそうに風に揺れていた。

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【イモリ池と至仏山】

 時間とともに,尾瀬ヶ原や燧ヶ岳・至仏山頂を覆っていた雲も徐々にとれ,真っ青な青い空が一面に広がった。容赦ない夏の強烈な日差しが辺りに降り注ぐ。前回はヒメシャクナゲが多く感じたが,今回はあちこちでウラジロヨウラクやタテヤマリンドウを見かけた。今年はやはり残雪が多かった分,これらの花は当たり年となっているようだ。

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【ハクサンチドリ。アップにするとラン科の花である事を実感します。】

 真夏の湿原を空撮しようとドローンを飛ばす。池塘の水面に映る青い空と真っ白な雲がいかにも夏らしい。しかし,空撮にも慣れてきたせいか,ただ撮っているだけでは面白みに欠けるなと思いつつもバッテリー2本ほど飛ばした。

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【オゼヌマタイゲキ。尾瀬沼では何故か見かけません?】

 何一つ遮るもののない尾瀬ヶ原を歩いていると,背面からジリジリと照らされる。体温を下げるために首筋に掛けていた濡れタオルもいつの間にか乾いてしまった。こんな時は,炎天下のベンチよりも拠水林の木陰がありがたい。ここで荷物を下ろして小休止。水分や塩分の補給を忘れたら,忽ち熱中症になりそうだ。尾瀬とは言え,手元の温度計では32℃を越えていた。もう,初夏を通り越して,すっかり真夏である。

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【夕陽に照らされるヤマドリゼンマイ】

 僅か2週間で一気に大きくなったヤマドリゼンマイやほとんど終わっていたズミに季節の移ろいの早さを感じながら龍宮小屋に到着。部屋につき,まず明日に備えてドローンのバッテリーの充電を開始する。程なく夕食の時間になったので,早々に夕食を済ませ,必要なカメラだけを持って十字路まで歩き,ベンチでのんびりする。

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【龍宮十字路の池塘の夕暮れ。この日は少し焼けてくれました。】

 夕刻が近くなるにつれ,忘れていた悪夢が・・・。この時期の朝夕の太陽が昇ったり沈んだりする時間帯になると,何故かきまって大量のブユが異常なくらい纏わり付いて周囲を飛び回る。ヤッケを着て帽子を被り防いだつもりでも隙間から入り込んだり,写真にも大量に写り込んだりする。厄介なのはドローン操縦中に送信機を操作する手にブユがとまってしまった時だ。もう操縦どころではなく,中断することもしばしば・・・

 前日が新月だったため,月明かりもなく星の撮影には好都合だと思っていたのだが,暗くなると急激に温度が下がった影響で夕霧が湿原を覆い始めた。幸い小屋の東側半分の空はぽっかり空いていたので,小屋周辺で天の川を撮影してそのまま眠りについた。

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【龍宮付近に架かる天の川】

*空撮にあたっては,DIPS・FISS・機体登録,関係機関への連絡・調整済みです。
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