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■華やぐ湿原[1] [尾瀬ケ原]

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【青空を映す池塘群の様子】

□10月11日(火)晴れ時々くもり
尾瀬の湿原を取り囲む山々の紅葉は例年だと10月の体育の日前後と相場が決まっていた。しかし,時期の尾瀬の週末は多くのハイカーで激混み。車で移動するにも,奥日光で大渋滞・・・。自由に動けるようになってからは,この混雑を避け,連休直後に尾瀬ヶ原から尾瀬沼に歩く計画を立てた。

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【この橋を渡ると尾瀬に来たことを実感します】

奥日光の様子から,尾瀬の紅葉も時期的にまだ早いということは容易に推測できた。これもまた温暖化の影響なのだろうか。金精道路を走っていると,反対側の車線をわき目も振らずにひた走るキツネが一匹。いつもなら直ぐに脇道に入って身を隠してしまうのだが,この日は違った。車を駐めて様子を確認すると,その先に車に轢かれた子鹿が一頭横たわっていた。その子鹿を狙ってやって来たのだ・・・ 生きるためとはいえ,余りにもショッキングな現場を目の当たりにして,心はザワついた。車を走らせ,乗合タクシーに乗り換え,鳩待峠に着いてもその気持ちを引きずったままだ・・・。

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【本格的な紅葉にはまだ少し早いようです】

気持ちが動揺した状態のまま,山の鼻に向かって歩き出す。連休直後と言うこともあって,久しぶりの晴れ間にも拘わらず人の行き来は非常に少ない。
昨日の雨のため森の中の木道はしっとりと濡れ,ボ~っとしているといっぺんで足を持って行かれ,即退場せざるを得なくなるだろう・・・。気を引き締めて華やぐ森を進む。

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【色とりどりな牛首を背景にダケカンバの黄葉が綺麗です】

全体的には徐々に色付いてきてはいるものの,近くで見ると全体的に色がくすんでいたり,一部が茶色に変色したりしていて綺麗とは言えない状態だ。ナナカマドもヤマウルシもあの鮮やかな色合いにはほど遠い。夏の異常な暑さが原因なのか,激しい温度変化が原因なのか,今年の紅葉はここ数年では一番悪いと言える状況だ。

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【色とりどりな紅葉がが楽しめる華やかな寺ヶ崎付近】

青空の割合が高いとは言え,水蒸気が多く,空気の透明度も高くない上,激しく雲が行き交い燧ヶ岳や至仏山の山頂は見えないままだ。しかし,時間とともに状況は良い方に変わってきているので,あまり先を急がず,のんびりと天候の回復を待ちながら上田代のベンチで昼食をとる。

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【ベンチでのんびりしていると午後のまったりとした時間が流れます】

秋の柔らかい光が湿原を包み込む時間が長くなってきたので,ここで待望の空撮を行う。秋の澄んだ空を映した池塘と紅葉した周囲の山々がいかにも秋といった感じだ。また,大空を忙しそうに流れていく雲の影が尾瀬ヶ原の上を忙しく行き来する様子も面白い。その後も他の場所に移動して撮影してみたものの,この日の空撮は2度に留めた。

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【ダケカンバの紅葉もそろそろ終わりのようです】

激しく雲が行き交い,それを見ているだけでも飽きない。その風に煽られ,午後の日差しに眩しく照らされて,チラチラと光り輝くダケカンバの黄葉。燃え尽きる前のろうそくの輝きのような,最後の煌めきを見せてくれているのだろうか・・・。湿原では,一ケ月前,まだ緑色だったヤマドリゼンマイも今はすっかり枯れてチリチリになってしまった。時の移ろいは早いものである。あと一ケ月もすれば湿原は,真っ白な雪に覆われ,長い眠りについているのかも知れない。

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【尾瀬ヶ原のモザイク模様はこの時期ならではです】

時間と共に,すっかり雲が優勢となり,時折,雲の間から漏れる光がスポットライトとなって紅葉した木々や湿原を照らしている。こんな様子を夢中で撮影していると,行き交う人も疎らになってくる。気温も一気に冷えてきたのでこの日の宿,龍宮小屋にチェックインした。天気はその後,悪くなる一方だったので,夜の撮影は諦めた。前日に宿泊した「ちーむ尾瀬」の仲間が小屋主さんに託した心温まるサプライズが用意されていた。いつものメンバーの楽しそうな顔が浮かんだ。ただただひたすらうれしかった・・・。これだけでも尾瀬に来て良かった。そして,やはり前日に直接会っておくべきだったと思った。

*空撮にあたっては,DIPS・FISS・機体登録,関係機関への連絡・調整済みです。

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