SSブログ

尾瀬を彩る秋の競演【2】 [尾瀬ケ原]


【今回の滝の空撮映像のダイジェスト版です。
 編集には時間がかかるのでとりあえず30秒にまとめたものをUPしてみました。】

 陽が沈む頃までは秋晴れの爽やかな一日だったが,急速に雲が広がり全天を覆う。ミニオフ会が終わる頃確認したが状況はそれほど変わらず,安心して?休むことが出来た。深夜に目が覚め,外を確認すると綺麗な月傘が出ていたのでカメラを持ち出し数枚撮影したが,それほど条件が良くなかったので,すぐに部屋に戻って寝ることにした。この時期日の出は6時前後,いつもよりもかなりゆっくり出来るのはありがたい。

00.jpg
【寝ている間に天候も回復して月の周りには傘が架かっていました】

 朝起きると状況は昨夜よりも悪化。低い雲が垂れ込め,燧ヶ岳も至仏山も山頂付近は雲に隠れ見ることが出来ない。そんな時でも散歩がてら荷物を持って湿原内を歩かないと落ち着かないのがカメラマンの悲しいサガ。ウロウロしていると燧ヶ岳の山頂が見えてきたのでもしやと思い,イモリ池に向かうが,やはり雲の勢いに勝てずそのまま撃沈。小屋に戻る。

1.jpg
【「平滑の滝」。周囲の紅葉が丁度見頃を迎え鮮やかです。】

 やはり収穫がなかったと見え,尾瀬仲間も早めに引き上げてきて,特に時間を指定したわけでもないのに,いつの間にか揃って朝食の席に着いていた。食後,今年最後の龍宮コーヒーを味わいながら,たくさんの尾瀬仲間と語らい,楽しい時を過ごした後,龍宮小屋を後にした。

2.jpg
【平滑の滝の最下部に行くといわゆる滑め滝ではなく落差のある滝もありました。】

 さて,この日の最大の目的は,昨年ケガで実現できなかった尾瀬の滝を空撮すること。
紅葉も滝の周辺は丁度良さそうなので撮影するにはありがたい。撮影の時間をたっぷり取りたくて早めに移動する。滝を撮影して帰りたいというてばまるさんが途中から合流して一緒に滝の撮影をする。平滑の滝や三条の滝周辺の紅葉は絶好調。ここで光が射せばより鮮やかになるのに残念で仕方がない。

3.jpg
【「三条の滝」遠望。この時期は水量は減るのですが,今回は多めでした。】

 両滝とも崖や高い樹木に包まれているため電波状態は極めて良くない。GPS信号を拾えないと実質的に撮影できないのであまり条件的に良いとはいえないし,川幅が狭いのでかなり制約がある。しかし,様々な番組で紹介される滝の映像を見るにつけ,今まで目にすることの出来なかった画像を撮りたいとの思いが強くなり,慎重にドローンを飛行させる。ただ慎重になりすぎたり緊張したりするあまり,撮影し損ねたりひやっとしたりする場面が何度もあったりするなど撮影中は緊張の連続だった。

4.jpg
【三条の滝の滝口を真上から落ちていくしぶきの粒まで分かります。】

 三条の滝の撮影を終え,兎田代に向かう急峻な道を越える。いつもの燧裏林道に戻るとちょっと一安心。そして,昨日,渋沢の大滝を撮影したというてばまるさんに確認しながら,紅葉に包まれた渋沢の大滝の撮影も実現させることができたのは大きな収穫だった。今となってはそのルートも荒廃し,たどり着くことさえ困難で幻の大滝になりつつある渋沢の大滝が撮れた喜びは大きい。

5.jpg
【三条の滝。かなり高度を下げて撮ってみました。しぶきが凄いのですぐに退散・・・】

 最後はいつも以上にヘロヘロになりながら御池に着いた。この辺も紅葉真っ盛りで,日差しがあったらもっともっと綺麗だろうなとしみじみと味わいながら車を走らせた。途中,モーカケの滝に寄り道をして,燧の湯に浸かってから帰宅した。

6.jpg
【今や幻になりつつある「渋沢大滝」。登山道を整備して欲しいです。】
nice!(15)  コメント(0) 

尾瀬を彩る秋の競演【1】 [尾瀬沼]

0.jpg
【紅葉の見頃を期待したけれど既に後半戦。カラマツが綺麗に色づいていた。】
[空撮に当たっては関係各種に連絡し許可を得て撮影しています]

あちこちのSNSを訪問すると,鮮やかな紅葉に包まれた尾瀬の光景が溢れていた。昨年,ケガのために紅葉に包まれた平滑・三条の滝を撮影することが出来なかったので,今年はこれだけは撮りたいとこの日を待った。何とか天気も回復しそうな週末,山小屋に予約を入れた。今回は尾瀬沼から尾瀬ヶ原に入り,滝めぐりをして燧裏林道のブナの紅葉を見る計画だ。

1.jpg
【尾瀬沼の紅葉も所々綺麗なものがありますが,既に終盤を迎えている】

紅葉狩りの行楽客で混雑すると到着が大幅に遅れることを見越して,前回同様早めに出発したが,高速道路も途中の道の駅の混雑もそれほどではなかった。3時間以上運転して着いた御池。遅れ気味とはいえ,まだ紅葉シーズンの真っ最中。混雑していると思ったが駐めている車は50台ほど。ちょっと拍子抜けだ・・・。

2.jpg
【三本カラマツの黄葉が丁度良い色合いだった】

直前まで雨が降っていたため,道路も森もしっとりとした空気が満ちる溢れている。重い撮影機材を背負いバスに乗り込む。乗客は30名ほど。出発する頃には雲も切れ青空も顔を出すようになった。そこから時折光が漏れ,紅葉が最高潮に達したブナ林を照らすと言葉で言い表せないくらい美しい。燧ヶ岳の山頂が顔を出してくれたのも嬉しい。

4.jpg
【夏にはたくさんあった藻がまだはびこり,良いアクセントになっていた】

バスから吐き出された人について,木道にたくさん敷き詰められた落ち葉を踏みしめながら沼山峠に向かう。油断すると滑るので慎重に・・・。通行には支障がないようにきちんと管理されているが,台風の影響は明らかで,森の中には倒木があふれていた。

5.jpg
【沼尻上空には不思議な雲が・・・】

すっかり晴れ上がった大江湿原に出て,思いっきり空気を吸い込む。遠くに見える三本カラマツもちょうどいい具合に黄葉していた。尾瀬沼の紅葉はもう終盤かぁ。紅葉のピークに訪れたかったが,そのタイミングというのは1・2日ぐらいしかないのかも知れない。気まぐれな秋の天気と相まって,つくづくよい条件で紅葉を見る難しさを感じた。

6.jpg
【尾瀬ヶ原に近づくと綺麗な紅葉がたくさんあった。】

尾瀬沼の晩秋の様子を空撮したくて何度かドローンを飛ばした後,少しだけ長蔵小屋付近を散策して沼尻に向かう。沼尻休憩所は既に今年の営業を終え,閑散としたそのテラスの上で登山者が思い思いに休んでいた。尾瀬沼の周辺は尾瀬ヶ原よりも落葉樹が少なく,紅葉という点ではちょっと物足りない。

7.jpg
【ブナの多い燧裏林道に続く道。やはりブナの紅葉は綺麗である】

すっかり天気も良くなり,森の中にもたくさんの光が溢れている。尾瀬ヶ原は尾瀬沼よりも200m高度が低い分,紅葉の時期も若干遅いため,尾瀬ヶ原に向かって行くと徐々に紅葉が色鮮やかになるのが分かる。しかも,太陽の光越しに紅葉を見ることになるので,まるでステンドグラスか木の葉のスライドショーを見ているような感覚だ。何度も立ち止まり,スマホやカメラを取り替えて写真を撮りながらゆるゆると進む。

8.jpg
【夕陽に照らされてススキの穂が輝き,揺れていた】

見晴に着いたのは午後3時。見晴地区の山小屋で開いているのは檜枝岐小屋と燧小屋のみ。他の山小屋はすっかり冬囲いをして人の気配もない。シーズンオフ間近の檜枝岐小屋の前のベンチに座り,秋の午後の寂しく,気怠い時間をぼんやりと過ごす。紅葉はまだまだ見頃なのになぁ・・・。途中で空撮をしたりしながら今日の宿泊先・龍宮小屋に向かう。

9.jpg
【夕暮れ迫る中田代・・・】

小屋では,JUNさん,花見さん夫妻,たもあみさん夫妻,多羅尾さんなど多くの尾瀬仲間に再会した。夜になると小屋主さんや見晴にテン泊しているてばまるさんも加わり,ミニオフ会になった。いつもの賑やかなシーズン中の尾瀬に戻った感じだ。消灯時間近くになるまで,みんなの尾瀬談義で話が弾み楽しい時間を過ごした。

10.jpg
【「秋は夕暮れ」の言葉がぴったり。いくら見ていても飽きません。】
nice!(12)  コメント(0) 

初秋の風に乗って・・・ [尾瀬ケ原]

動画を久しぶりに編集してみました。
9月26~27日 アヤメ平~尾瀬ヶ原を歩いてきた時の空撮動画です。
ちょっと長めですので,お時間のある時にご覧ください。
今年撮影した動画がたくさんたまっていますのでそちらも随時編集し公開いたします。


nice!(11)  コメント(0) 

秋深まる尾瀬へ【2】 [尾瀬ケ原]

00.jpg
【拠水林に漂う朝靄も朝陽を浴びると激しく動き出す】
[空撮に当たり関係諸機関の許可を得て,各種法令遵守の上,飛行・撮影しています]

数日前からNHKの取材班が撮影に入り,ドローン等を使って8Kで尾瀬を撮影していた。以前の取材で知り合ったカメラマンも尾瀬入りしていて,明日は下の大堀付近で撮影するというので,ここで撮影の邪魔にならないように他の場所で撮影することにした。

02.jpg
【太陽の昇る位置もかなり南の方になりました】

木道には霜が降りて真っ白だ。昨日の濡れた木道で懲りたので,滑り止めを装着して出かけると既に花見さんが三脚を立てて撮影を始めていた。周辺を歩いて霜の様子を確認する。樹木の天辺まで真っ白になっていないので大霜とは呼べないかな・・・。

04.jpg
【白い虹を少し高い場所から】

ヨッピ橋方面に向かうと,どんどん朝靄が濃くなり,至仏山や目の前の景鶴山さえもぼんやりとしか見えないが,朝陽を浴びて山頂付近が紅く染まっているようだ。湿原に目をやるとチリチリになったヤマドリゼンマイや小灌木も霜で綺麗にデコレーションされ,華やぎを取り戻して生き生きとしていた。

06.jpg
【尾瀬ヶ原は一面霜が降りたようで真っ白です】

時間とともにどんどんと光が降りてくる・・・ 真っ白だった湿原の一角に光が溢れ,そこを中心に周囲が明るくなる。この時を待ってドローンを上空へ飛ばす・・・。初めは真っ白だが,朝靄の上に出るとモニタに映る光景が一変する。朝陽を浴びて輝く紅葉間近の森,真っ赤に染まりながら揺れ動く朝靄,ブロッケンとそれを取り囲む白い虹・・・どれを見ても息をのむ光景だ。

08.jpg
【地上では,真っ白な湿原の一角から朝日が昇ります】

幻想的な上空の光景に酔いしれていると,いつしか湿原にも光が舞い降り,目の前に白く大きな半円の弧を描いた。ドローンを一端ホバリングさせ,デジイチで白虹を撮影。嬉しい忙しさだ。時間がいくらあっても足りないくらいだが,白虹が長い間出続けてくれたので上空と地上からその姿を何とかカメラに収めることができた。

10.jpg
【朝靄が濃く,地上には霜が降り,色彩のないモノトーンの世界が広がります】

時間とともに,霜に覆われて真っ白だった湿原も徐々に草紅葉の湿原に戻っていく。その溶けた霜が滴になってゆらゆらと朝日に輝いている様子もまた綺麗だ。湿原に取り残された朝靄,日陰に残る霜と草紅葉の対比も面白い。しかし,時間とともに早朝の輝きが消え,いつもの湿原に戻っていく。

12.jpg
【徐々に朝靄が上がり,朝のドラマも終盤を迎えます】

一息ついたので小屋に戻って朝食の時間にした。ちょうど食事中だった花見さんや和風子さんとまた一緒におしゃべりをしながらの朝食になった。朝の撮影が充実していた時の朝食は格別である。予定では尾瀬沼でもう一泊してから下山する予定だったが,台風の影響による天気の悪化が早まったので早めに帰ることにした。小屋主さんを交え尾瀬仲間のオフ会さながらの楽しいやりとりもあって出発はいつもよりもさらに遅かった。

14.jpg
【かなりの霜が降りヤマドリゼンマイや小灌木も綺麗にデコレーションされていました】

穏やかな秋の尾瀬に浸りたくて長沢の湿原の片隅に立つ。シーズンオフ前に仕上げようと忙しそうに進められる木道工事の杭を打つ音が遠く響く。水量が少なくなった長沢の清流の音に混じって,風にこすれる木の葉の音が涼しく響く。突然,周囲が賑やかになる。シジュウカラの群れだろうか・・・時間の経つのも忘れてのんびりと時間を過ごす。台風が接近しているなんて想像できないくらいの雲一つない秋晴れの空の下,鳩待峠までゆっくりと下山した。

16.jpg
【今朝の冷え込みで紅葉も一気に進んだようです。昨日よりも明らかに色づいています】

18.jpg
【目映い紅葉のトンネルを歩く】
nice!(14)  コメント(2) 

秋深まる尾瀬へ【1】 [尾瀬ケ原]

00.jpg
【アヤメ平の崖の紅葉も見頃になりました】

例年尾瀬の紅葉が見頃となるのが今頃だが,今年は明らかに紅葉の進み具合が遅れている分,それまでの期間が長く,寧ろゆっくりした変化を楽しめている。
紅葉もそろそろ見頃を迎え,絶好の行楽日和となるはずの3連休だったが,巨大台風の接近で週末は大荒れの予報のため,予定を前倒しして出かけることにした。

02.jpg
【アヤメ平付近の上空から,思っていたほど紅葉は進んでいません。】

紅葉が遅れているのはどこも同じだが,日光での交通渋滞に巻き込まれるのを避けるためいつもより早く自宅を出発したので鳩待峠到着は午前8時。平日にもかかわらず,久しぶりの晴天とそろそろ見頃を迎える紅葉目的の登山者で鳩待峠は賑わっていた。
最初に目指すのは今回もアヤメ平。前回の尾瀬から10日経ち,遅れていた紅葉もそろそろ見頃を迎えているだろうとの判断からだ。

04.jpg
【上田代まで飛ばしてみました。ここは樹木の紅葉はそれほど進んでいません。】

直前まで降っていた雨の影響で登山道はあちこちにぬかるんでいる。厄介なのは濡れた木道だ。
利用者の少ないルートで木道自体の更新も遅れているため苔が生え非常に滑りやすい。登りだからと滑り止めを付けずにゆるゆると登る。

06.jpg
【今年は寒暖差が大きいからなのか,紅葉が鮮やかです。】

横田代に出ると,秋晴れの空が広がるが横殴りの強い風が吹き抜ける。途中の中原山に向かう木道は更新工事が急ピッチで進められていた。
アヤメ平について昼食をとりながら風が収まるのを待つ。少し風が収まったのでドローンを飛ばす。
アヤメ平の小灌木は丁度紅葉の見頃を迎えていた。

08.jpg
【ヤマドリゼンマイの紅葉は完全に見頃を過ぎていました】

風もまだ強いのでちょっと不安もあり,1度だけのフライトにとどめ急いで長沢新道を下る。
滑りやすい木道で一度だけ派手に転んだもののあちこちが紅葉した森の中を歩くのは楽しい。気付くと龍宮十字路へ着いた。

10.jpg
【ススキの穂が揺れる尾瀬ヶ原。晩秋の雰囲気が漂う。】

龍宮小屋で受付を済ませて,必要な機材だけ持って尾瀬ヶ原に向かう。明日は尾瀬沼に向かうつもりだったので尾瀬ヶ原の様子を空撮しておきたかったからだ。ヤマドリゼンマイの紅葉も楽しみにしていたが,既に葉は茶色く変色し,チリチリになっていた。

12.jpg
【池塘の周りは紅葉の進み方もゆっくりめ・・・】

平日と言うこともあり,木道の付け替え工事や橋梁工事もシーズンオフに向け,急ピッチで進めているようで,何度もヘリが行き交う。
撮影を終え小屋に戻る途中,写真教室に参加のために来ていた花見さんと和風子さんとオフ会以来の再会を果たす。今日は龍宮小屋に宿泊のようだ。
三人で楽しく夕食後,部屋に戻ってのんびり過ごし,消灯後に月の光に佇む湿原の様子を写真に収めて,この日の撮影は切り上げた。

14.jpg
【寝る前に夜霧が漂う湿原を月光を頼りに歩く】
nice!(11)  コメント(4) 

草紅葉輝く尾瀬を巡る【2】 [尾瀬ケ原]

AAA.jpg
【朝靄の中を進む光が光芒を作り出す。朝ならではの幻想的な光景が広がる。】
[空撮に当たり関係諸機関に連絡し,各種法令遵守の上,許可を得て撮影しています]

少しだけ早起きして,ほんの少し小高い見晴から見ると尾瀬ヶ原一体は朝靄の一団に覆われていた。これなら,白い虹が出るかも・・・。山小屋の開いている時期なら朝食はお願いしていなかったので早々に小屋を出て龍宮十字路に向かう。途中で龍宮小屋に宿泊しているという知り合いのカメラマンに出会う。

BBB.jpg
【上空からの白虹。ドローンの影を中心としたブロッケンの周囲を大きな白虹が囲む】

幻想的な朝靄が漂う龍宮小屋付近。朝靄に包まれて日の出近くなっても空の様子はよく分からないが,目を凝らして見ると至仏山や景鶴山の山頂は朝陽を浴びて光っている。朝陽が降りてくるのを待って上空からの撮影を試みる。朝靄の上に出ると景鶴山や至仏山が朝陽を浴びて紅く輝いていた。

CCC.jpg
【朝のドラマも朝靄が消えてきてそろそろ終盤】

眼下に広がる朝靄の隙間から見える草紅葉や色付き始めたダケカンバ。朝靄の中を突き進む光芒。朝陽を浴びて激しく動き回る朝靄・・・。ドローンの影の周りにできるブロッケンの光輪とその周囲を取り囲む大きな白い虹。神秘的で幻想的な光景が目の前に広がる・・・。

DDD.jpg
【朝靄漂う湿原。ドローン操縦と地上の撮影ととにかく忙しい・・・】

しかし,朝靄に阻まれるせいなのか,通信システムの不調なのか時々画面が途切れ,動作が不安定になり,その対応に追われ落ち着いて撮影できない。朝の早い時間にヤマドリゼンマイの撮影をしておきたかったので,ドローンでの撮影を早めに切り上げ,ヤマドリゼンマイの群落地に向かう。

EEE.jpg
【冷え込みでチリチリになることもなく綺麗に色づいたヤマドリゼンマイ】

霜や冷え込みによるダメージが心配されたヤマドリゼンマイは,ここ数日の冷え込みの影響を受けることはほとんどなく,綺麗に色づいた葉を一杯に伸ばしていた。透過光で見る紅葉はより一層鮮やかだった。慌ただしく時間が過ぎ去り,この日一番の朝のドラマの撮影を終えた。

FFF.jpg
【ヤマドリゼンマイの緑から黄色,さらに赤へのグラデーションが美しい。】

今日も朝から雲一つない快晴。穏やかな一日が始まった・・・。昨日は時間がなくて立ち寄れなかった龍宮小屋に顔を出し,小屋主さんと談笑する。橋梁や木道の工事関係者の宿泊のため,かなり混雑しているようだが,宿泊者は目的地に向かい清掃も始まっていたので,朝のコーヒーを飲みながらまったりと羽を伸ばした。

GGG.jpg
【草紅葉は既に見頃を迎えている尾瀬ヶ原をちょっと上空から。】

1時間以上,時間を過ごし,SNSへの投稿なども行った。相変わらず雲一つない天気で,空から降り注ぐ日差しは強烈だが,湿原を吹き抜ける爽やかな風に吹かれながら鳩待峠に向かった。尾瀬ヶ原を取り囲む周囲の山々の色付きはまだこれからだが,尾瀬のシーズンもあと残り1か月程度。昨年,撮りきれなかった最盛期の尾瀬の秋をもう少し撮影しておきたいものだ。

HHH.jpg
【草紅葉の紅葉が進む上田代付近を空撮してみました。】
nice!(12)  コメント(4) 

草紅葉輝く尾瀬を巡る【1】 [アヤメ平]

1.jpg
【草紅葉最盛期のアヤメ平の上空からの眺めです】
[空撮に当たり関係諸機関に連絡し,各種法令遵守の上,許可を得て撮影しています]

オフ会の時もいつになく遅いヤマドリゼンマイの黄葉の進み具合が気になっていたが,高い気温の影響か紅葉の進み具合が全体的に遅れているようだ。それでも9月も終盤となり,朝晩かなり涼しくなってきたので,尾瀬の風に誘われ出かけることにした。

2.jpg
【綺麗なマユミの実が鈴なりになっていました。】

秋雨前線も消え,移動性高気圧によってもたらされた久しぶりの晴天。渋滞とは縁遠い朝の道を快調に走り,鳩待峠に着いた時は午前9時を回っていた。絶好の行楽日和なのだが,平日とあって入山者はかなり少なめだ。中学生らしい20人ほどのグループが,尾瀬ヶ原に向け出発したあとは,秋風が木々を揺らす音だけが微かに響く鳩待峠の時間がそこにあった。

3.jpg
【アヤメ平の草紅葉は今が最高潮。上空の雲も秋らしいです。】

尾瀬ヶ原よりも高度もあって,より紅葉が進んでいると思われるアヤメ平を経由して尾瀬ヶ原に向かうことにした。行き交う人もほとんどいない静かな登山道をいつものペースで歩き始める。森の中に鏤められたツタウルシの赤や色づき始めたモミジやブナの黄などの葉,珍しいキノコを見つけては嬉しくなる。しかし,いつもの年と比較すると紅葉の進み具合はかなり遅れている感じだ。ふと見つけた秋をスナップ程度に写してみると,見た目以上に鮮やかな色付きにハッとさせられる。

4.jpg
【アヤメの崖の紅葉はちょっと先のようです。】

湿った木道に時々足を取られそうになりながら着いた横田代は,草紅葉がピークを迎えていた。。その湿原はすっかり秋色に染まっていたが,目を凝らすと,紅葉したキンコウカが逆光に照らされ,透明感のあるオレンジ色のステンドグラスのように輝く。

5.jpg
【逆光を受けて,クマザサの葉が輝いていました。】

周囲の山々も秋本番に向けてまだまだ準備中だったが,黄色や赤一辺倒ではなく,たくさんの色に包まれ寧ろ変化があって楽しいくらいだ。そんな湿原で空撮をしたり,秋風に吹かれたりしながらのんびりと時間を過ごす。

6.jpg
【写真に撮ると葉の色が結構変わってきていることにビックリ・・・】

アヤメ平に向かう道の途中,何カ所かで木道の修復工事が行われていた。雪に閉ざされる冬に向け,急ピッチで工事は進む。工事用の資材が木道脇に置かれ,あちこちで木道工事が忙しそうに行われるようになると,もうすぐシーズンも終わりだなぁと実感する。

7.jpg
【富士見池周辺の秋と秋の空】

秋色のアヤメ平周辺の様子をドローンからの映像で確認したが,紅葉よりも逆光に銀色に輝くクマザサの葉が綺麗で印象に残った。アヤメ平で昼食後,山小屋に電話をして,久しぶりに第二長蔵小屋に泊まることになった。

8.jpg
【陽の傾き欠けた尾瀬ヶ原で,まず空撮してみました。】

人通りも少なく濡れて滑りやすい木道,急な下りが続く長沢新道を慎重に下り,龍宮十字路に着く頃には日も傾いていた。ベンチに荷物を置き,日が沈む前に空撮を行う。
今朝は霜が降りる程冷え込んだので,ヤマドリゼンマイが黄葉を通り越して一気に枯れていないかと不安だったが,上空から見ると赤茶色に見えていた。確認するまでちょっと心配である・・・。

9.jpg
【夕日に輝く尾瀬ヶ原と景鶴山】

急ぎ,第二長蔵小屋に向かい受付を済ませ,黄昏時の見晴のベンチで徐々に暮れていく,夕暮れの空を眺めると,直前まで出ていた雲はいつの間にか消え,至仏山の端はピンクやオレンジの混じり合った複雑な色合い・・・そして上空に目を移すと徐々に濃くなる群青色・・・。時間とともに変わっていく舞台背景の色の移り変わりをじっくりと味わった。

10.jpg
【スポットライトを浴びてダケカンバも輝きます。】

今日は月もなく星の撮影には最高の条件だったが,見晴地区ではロケーションも良くないし,星の写真が撮れるところまで遠征したい気分でもないので今宵は撮影を諦め,早々に休んだ。いつもなら寝る間を惜しんで撮影に勤しむところだが,こんな贅沢もたまにはあってもいい・・・。

11.jpg
【夕暮れを見ながら見晴でまったり・・・】
nice!(12)  コメント(0)